―― その割り切る力はすごいですね。自己肯定感が低めとおっしゃいますけど、強さも感じます。

長野 私自身がいっぱい人のまねをして失敗したから、割り切れたんでしょうね。絶対にそうなれないと分かったので、恥をかくぐらいだったら、諦める、割り切るっていう部分もすごく大切で。例えば、私は運動が得意ではないのですが、何でもやるんです。ゴルフでもテニスでも。でも、もう全部が中途半端でいいって割り切っています。絶対に負けん気を出さない、勝とうとしない。負けん気を出しても運動ではどうせダメなので、それで自分が不機嫌になるくらいなら、負けん気を出さずにいようと(笑)。あまり頑張らないことも大事です。

19歳、52歳、58歳でやったこと

―― 最後は、「やりたいことを書き出し、達成したら消す」。

長野 自分が本当に好きなことや、才能が生かされる場所がどこかはなかなか見いだしづらい。それに、自己肯定感が低いと「きっとダメ」「やってみたいけど私には無理」とつい思ってしまって頭の中で完結しがちです。そうならないように、自分が関心のあることを、ノートに書き出す。私は、やりたいことが見つからなかった19歳、趣味を見つけたかった52歳、そしてキャスターを卒業した去年の58歳の計3回やりました。