「WOMAN EXPO 2022」のトークセッションに登壇した、ジャーナリストの長野智子さん。報道番組のキャスターとして世界中を飛び回っていた長野さんですが、「自己肯定感が低め」と意外な告白をしてくれました。自己肯定感の低い自分をどう受け止め、夢をかなえる力に変えていったのか。何度も訪れた挫折をどう乗り越えていったのか。連載の番外編としてお届けします。

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(下)長野智子 自己肯定感低めでも、夢をつかめた5つの理由

小学生の頃から低かった自己肯定感

編集部(以下、略) 長野さん、「自己肯定感低め」って本当ですか? 「いやいや、そんなわけないでしょ?」と思ってしまうのですが。

長野智子(以下、長野) 人前に出る仕事柄か驚かれてしまうことも多いんですが、本当に自己肯定感が低いんです。自己肯定感の低さって、その人の置かれている状況や、成功している・していないに関係ないと思うんです。どんな環境にあっても、自信が持てない、やっていることに満足感が得られない、そして常に自分が劣っていると感じてしまう。心の問題だと思うんですよね。私は子どもの頃からもう、ずっと自己肯定感が低くて今に至っています(笑)。

 先日、ジェニファー・ロペスさんのドキュメンタリーの予告編を見たら、彼女も「自己肯定感が低くて悩んでいる」などと話す場面がありました。誰しもが抱えている思いなのかなと思う部分もありますね。

「WOMAN EXPO 2022」は6月末に東京ミッドタウンで開催された。講演中、多くの参加者がメモを取っている姿が印象的だった
「WOMAN EXPO 2022」は6月末に東京ミッドタウンで開催された。講演中、多くの参加者がメモを取っている姿が印象的だった

―― 早速、長野さんに書いていただいた「幸せ曲線」を見ていきましょう。これは上に行くほどハッピーで、下に行くほどアンハッピーということを示しているのですが、いきなり小学生時代がどん底ですね。

長野 子どもの頃はずっと太っていて運動が苦手。勉強もできなかったんです。一方、私の母はものすごく運動が得意で、活発な学級委員タイプの優等生。そういう母が私を見ると、イライラしたんでしょうね。

 「私の子とは思えない」「こんなに勉強できないんだったら、もう死んじゃえばいいのに」くらいのことを言われていたんです。そういうことを言われると、母親に対してネガティブな感情を持つ人もいるじゃないですか。母は昨年末に亡くなったのですが、昔も今も私は母に対する憎しみはなくて。おそらく父を7つのときに亡くしているので、母が私にとって最も必要であり、大切な存在だったからでしょうね。

 母にひどいことを言われても、怒りやプレッシャーにはならず、むしろ母を喜ばせられる人になりたいと思っていました。ただ、私の自己肯定感の低さは、この頃の体験が大きく影響していると思います。

―― 親の言葉って、ずっと心に残りますよね。でも、中学生~大学に入学するまでは美しい右肩上がりですね。