「子どものいない夫婦がフツーに仲良く暮らしていくお手本を知りたい」――これまでさまざまな「家族のカタチ」を取材してきたエディター・宮本恵理子が、ARIA世代の友人の一言をきっかけに始めた、パートナーシップ連載「夫婦ふたり道」。「広告夫婦」として業界に知られる福里真一さん、三井明子さん。夫婦という固定観念に縛られないことを大事にしているお二人。家事に対する価値観、「夫婦といえど他人同士」のエピソードなど、日々の暮らしのことをお聞きしました。

(上)同じ業界で活躍 「広告夫婦」の絶妙な距離感
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同じ業界で活躍 「広告夫婦」の絶妙な距離感


「誰かと一緒に生きる、生物としての自然な形が夫婦かもしれません」「夫婦はこうだ、と決め付けないことが大事では」。福里真一さんと三井明子さん
「誰かと一緒に生きる、生物としての自然な形が夫婦かもしれません」「夫婦はこうだ、と決め付けないことが大事では」。福里真一さんと三井明子さん

家事は無理せず、専門家に委ねる

―― 同じ広告業界で仕事をしていながら、仕事面ではほどよく距離を置いていらっしゃるお二人の生活面についても伺いたいです。お部屋がとてもきれいに整っていますね。8年ほど前にお二人をインタビューした際には、「夫婦共に家事が嫌い」というお話をされていたのですが、何らかの変化があったのでしょうか?

福里さん いえ、相変わらず家事は苦手なのですが、「3LDKのうち、リビングダイニングのスペースだけは散らからないように維持しよう」というのをルールにしています。

三井さん 2年前にここに引っ越してきてからは、月2回、家事代行サービスをお願いするようにして、本当に助かっています。

福里さん 掃除が好きで得意な方はご自分でされるといいのでしょうけど、私たち夫婦はまったくそれに当たらず、「掃除をしても、どうせまた汚してしまう。ならば掃除する意味はあるのだろうか」とつい発想してしまうのです。片付けに「ときめき」を感じられたらいいのでしょうけど、どうしても苦痛に感じてしまうので、無理せず得意な方にお願いしたら正解でした

三井さん できるだけ労力を使いたくないんです(笑)。例えば夫の履く靴下は畳まずに、引き出しに「置く」だけにしています。しかも、1種類をたくさん買っておくことで、「片方ない!」と探すストレスもゼロに。省エネ家事です。

福里さん 靴下なんてどうせ履いちゃうだけですからね。丁寧に畳む必要はないです。