「子どものいない夫婦がフツーに仲良く暮らしていくお手本を知りたい」――これまでさまざまな「家族のカタチ」を取材してきたエディター・宮本恵理子が、ARIA世代の友人の一言をきっかけに始めた、パートナーシップ連載「夫婦ふたり道」。今回は、ジャーナリストの佐々木俊尚さんとイラストレーターの松尾たいこさん。東京・軽井沢・福井の3拠点生活を送る新しい夫婦のかたち。時代とともに変わってきた夫婦の価値観についても詳しく聞きます。

―― 今日は、ジャーナリストとイラストレーター、それぞれの表現・発信で活躍されているお二人のご自宅にお邪魔します。

松尾さん こんにちは。どうぞ、こちらがリビングです。

佐々木さん こんにちは。ようこそ。

ジャーナリストの佐々木俊尚さん(左)とイラストレーターの松尾たいこさん(右)夫妻

―― 無駄な物がなくスッキリと、でも温かみのある落ち着いたお住まいですね。ところどころに、お二人の写真や松尾さんの作品が飾られています。

松尾さん リビングのコーナーに飾っている写真は、富士フイルムの写真展企画で「平成を振り返る『平成の一枚』」というテーマで送ってほしい、と頼まれて選んだものです。

中央の写真は、2018年に写真家の本間寛さんに撮ってもらったもの。右の写真が、富士フイルムの企画に出したもので2001年に松尾さんと佐々木さんが出会った頃

夫婦で、東京・軽井沢・福井の3拠点ライフ

―― では早速、今のライフスタイルについて、詳しく伺わせてください。まず、ユニークなのが、東京・軽井沢・福井の3拠点を行き来する暮らしをなさっている点です。どれくらいのペースで移動しているのですか?

佐々木さん 時期によって変動があるのですが、1カ月の中で東京にいるのは短くて1週間、長くて3週間。それ以外を軽井沢の別邸と、福井で借りているアトリエ兼住居で過ごしています。どうしても仕事の予定が入ると東京に長く滞在せざるを得ませんが、極力早めに移動の予定を決めてしまって、最低でも月に1週間は東京を離れるようにしています。

佐々木俊尚さん
ジャーナリスト
1961年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。1988年に毎日新聞社入社。事件記者として12年キャリアを積んだ後、アスキーに転職。『月刊アスキー』編集部を経て、2003年に独立。『電子書籍の衝撃』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)で2010年度大川出版賞受賞。近著に『広く弱くつながって生きる』(幻冬舎)など著書多数。料理の腕前にも定評があり、書籍でも普段の食生活を彩る献立レシピを公開している。
松尾たいこさん
イラストレーター
1963年広島県生まれ。広島女学院大学短期大学部卒業後、マツダに入社。幼少期から好きだった絵を仕事にする夢を諦めきれず、1995年に上京。セツ・モードセミナーで腕を磨き、第16回「ザ・チョイス」鈴木成一賞受賞。カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』をはじめ多数の本の装画を手がける。2014年からは陶芸を始め、表現の幅を広げている。著書に『暮らしの「もやもや」整理術』(扶桑社)など多数。