米国では初の女性副大統領が誕生しそうですが、足元を見れば、新型コロナのあおりでキャリアを諦めなければならない女性が急増しています。いまだオンライン授業が続く米国における女性、母親の苦境について、ポートランド在住の松原佳代さんが伝えてくれました。

女性のキャリアについて考える機会の多い2020年の米国

 今回は米国における2020年の女性のキャリアをテーマにしたい。幸先のいい話題から始めるとカマラ・ハリス氏が次期副大統領にほぼ決まったことは、女性のキャリアという観点では非常に明るいニュースだった。彼女が言った「私が初めての副大統領かもしれないけど、最後ではない」という言葉は多くの人に響いた。もちろん、私にも。

 が、一方で、2020年に働きながら育児や介護をする女性たちが直面している課題がある。私もその当事者であり、それが今回のメインテーマだ。その背景にあるのは、世界各国で第2波が押し寄せている新型コロナウイルス感染症である。

 米国は波が引いたり押し寄せたりを繰り返すというよりは、常に感染者が増えていて、全く落ち着くときがない状況だ。ゆえに学校の対面授業もいまだ再開できない地域が多く、それは私が住むオレゴン州も同様である。

新型コロナのロックダウンが始まった頃は桜がきれいだったポートランドも、すっかり秋が深まり紅葉している
新型コロナのロックダウンが始まった頃は桜がきれいだったポートランドも、すっかり秋が深まり紅葉している