移住の支援も行う、カヤックLivingの代表取締役 松原佳代さんは、2019年8月、自らポートランドへ家族で移住するという選択をしました。移住して半年、環境になじみ始めた頃にやって来たのは、新型コロナウイルスの脅威でした。

(上)ポートランドに移住して半年、非日常はいきなり訪れた!
(下)松原佳代 米国のオンライン学習事情とワーママの覚悟 ←今回はココ

落ち着き始めた頃、コロナのある生活が突然訪れた

 毎日、子どもたちがずっと家にいる状況になった(わが家は今アパート住まい。3歳、6歳の男児ふたりがそこからの外出を控えている生活を想像してみてほしい……)。

 これまでの育児の当たり前
・日中の学習は学校が担当してくれて、ある程度の学力はそれで保てる
・放課後を含めて、子どもたちの体力は保育園と学校が消耗させてくれる
・お昼ごはんは、学校と保育園で食べてくる
この当たり前がすべて当たり前じゃなくなった。新しい育児の現実が生まれた。

 それに対して
・平日は、夫はリモートワークで、私はリモート経営
・平日の昼間は親が仕事をする時間である。暗黙の1日8時間仕事ルール
という、これまで通りの仕事の現実からはなかなか離れられない。

 新旧の現実の両立はいつになったら無理なくできるようになるだろうか? いや、相いれる気がしない。いったんまっさらな白紙に戻して考えなければと思った。

 そもそも平日の昼間に8時間仕事って誰が決めた? 教育もスポーツもごはんも、本来は親の手元にあったはず。全部をまっさらにして、暮らしと仕事の在り方をつくり直してみようと。当然のように手放していた育児や教育を自分たちの手元に戻してみようと。そしてもう1度、何を大切にして、何を手放すかを考えてみようと。

 それが4月第2週のことだ。

外出自粛が始まり、育て始めたサボテン。長男、次男がそれぞれ世話をしている
外出自粛が始まり、育て始めたサボテン。長男、次男がそれぞれ世話をしている