前提として、私は英語が決して堪能ではない。日本人の中でも中の下、いや下の上ぐらい。センスがないと自覚している。それなら移住前に勉強しろ! という話だが、仕事が忙しいことにかまけて手をつけなかった私が悪い。結果、移住後は買い物をするにしても、小学校や保育園からのメールひとつ読むにしても、家の事務的なことをこなすにしても、すべてに日本での数倍の時間を使うことになった。

移住から半年、私は日本時間で生きていた

 幸か不幸か、時差があるからWeb会議は子どもが寝た深夜帯にまとめることができた。幸か不幸か、と書いたのは文字どおりで、仕事時間は確保できたものの、生活リズムが乱れて夜寝付けなくなり、不眠か!? と思う期間が相当続いたことも書き添えておく。日本とポートランド、2つの時間で生きるのは、なかなか楽ではない。移住から半年は、私は日本時間で生きていた(夜に全く寝られない)。2020年になり、日本の仕事仲間たちにポートランド時間で生きるからよろしく! と宣言をして比重を切り替えていくフェーズにやっと入ることができた。

 まあ、そんなこんなで今振り返ると大変な半年ではあったけど、子どもたちも「アメリカ楽しい!(英語は大変だけど)」と言ってくれるようになったのは幸いだった。「半年たって、やっと暮らしも落ち着いたかなぁ」なんて話せるようになったのが、年が明けた1月。年末年始には住んでいたエリアから足を伸ばして、リゾート向けのタイニーハウスに泊まりに行ったり、山に雪遊びに行ったりもするようになり、非日常だったポートランドの暮らしが、ようやく日常になってきたなぁ、なんて感じていたのがこの頃だった。

冬は、山に向かえばこんなに美しい雪景色が!
冬は、山に向かえばこんなに美しい雪景色が!

 が、ほどなくして次の非日常がやって来たのだ。