風のように軽やかで、自然体。そんなイメージの渡辺満里奈さん。50歳を迎えた今の心境や、仕事のこと、そして夫のうつ病を一緒に乗り越えたことなど、等身大で語ったロングインタビューを、6回にわたってお届けします。第1回は、渡辺さんがずっと楽しく仕事を続けてこられた秘密について明かしてくれました。

 1986年に15歳でアイドルとしてデビューして以来、バラエティー番組や情報番組を中心に活躍している渡辺満里奈さん。50歳を迎えた今、「改めて、テレビ業界という新陳代謝が激しい業界で、我ながらよく生き残ってこられたと思います」と軽やかにほほ笑む。その様子に気負いはうかがえないが、かつてはビートたけしさんや古舘伊知郎さんなど、超個性的な司会者のアシスタントを務め「猛獣使い」と言われた異名も持つ実力派。さらに、ファッションや音楽方面でも存在感を発揮し、自身がハマったピラティスや台湾の旅など、流行に先駆けて本も出版。まさに「マルチタレント」という名にふさわしい活躍ぶりだ。

「流れに身を任せて楽しく仕事を続けてきた結果、ここまできました。スタッフに感謝です」
「流れに身を任せて楽しく仕事を続けてきた結果、ここまできました。スタッフに感謝です」

私は「狙えないタイプ」だった

編集部(以下、略) 仕事のジャンルや方向性は、どんな風にしたいと思い描いていたのですか。

渡辺満里奈さん(以下、渡辺) 幸いなことに、事務所のスタッフが、私が楽しめそうなものを、という基準で仕事を選んでくれていて、実際楽しく仕事をしてきた結果、今に至る、という感じです。

 年齢や経験を積み重ね、結婚して母になり、という変化とともに、自然と仕事の幅が広がりました。求められるものが変わるのは当然だと思いますが、気持ちは20代のころと全然変わってないので、中堅扱いされたりすると、あれれ? と調子が狂うことも(笑)。

 みなさんご存じのように、テレビタレントという仕事は年齢を重ねていくと厳しくなってくる業界です。中でも、バラエティー番組では、若くて勢いがある人たちのほうがニーズがあって、そのニーズは狙ったキャラクターがある人ほど高まりますが、私の場合、狙えないんですよね。これは性格の問題で、昔からそうで、だから本当に、よく生き残ってこられたな、と思うんです。