ピラティスと出合って、自分と向き合う面白さを知った

―― ピラティスを始めたのも、誰かの勧めだったのですか?

渡辺 そうなんです。もう約20年近くなりますが、2002年に、あるスポーツジムのイメージキャラクターを務めていて、そのときにピラティスの存在を知りました。そこで、「すごくいい先生がいるよ」と教えてもらったことが出合いのきっかけです。

 ピラティスは、体の深層にあるインナーマッスルを鍛えるもので、例えば背骨のつい骨を一つずつ動かすとか、下腹の奥に力を入れるとか、体の内側に意識を向けて行います。意識する=イメージするということですが、そうやって体に意識を向けるというのは、自分自身と向き合って、自分のことを考える、知るということと同じなんだな、とすごく感じました。

 ピラティスのメソッドをつくったピラティス氏が、「体だけ成長することはない。心だけ成長することもない。体も心も一緒に成長するんだ」ということをおっしゃっていますが、まさにその通りなんです。それがすごく面白くて。

 そこからすごくハマって、多いときは週3、4回のペースで通っていました。コロナ禍の今も、細々と月1、2回のペースで続けています。

―― 人から勧められて、いいと思ったことはすぐやる。やった上で自分に合う・合わないを決める。それが渡辺さんの引き寄せの法則なんですね。

渡辺 考えてみると、私には「これは絶対できません、無理」ということがあまりなく、楽観的なところが強みなのかもしれません。


 そんな渡辺さんが、「なんでこんなことになっちゃったんだろう。この先どうしよう」と毎日不安で涙があふれ出すような出来事があった。それは 2018年夏。夫の名倉潤さんが頚椎(けいつい)椎間板ヘルニアの手術後に、うつ病になってしまったのだ。

※第2回へ続く

取材・文/茅島奈緒深 写真/森川昇