新型コロナウイルスの感染が広がり、外出自粛やテレワークの要請が続く中、日経ARIAでは読者の皆さんにご協力いただき、緊急アンケートを実施しました。そこには、突如自宅でのテレワークに直面することになった戸惑いや、管理職の方からはチーム運営や、部下とのコミュニケーションなどで、さまざまな悩みの声が。みんな何を思い、実際にどうやって日々業務遂行に当たっているのでしょうか? 浮き彫りとなった生の声をお届けします。

 日経ARIA編集部では2020年4月14日から、読者を対象に「コロナ対策・リモートワーク 緊急アンケート」を実施しています。4月26日までの回答数は1107件(うち女性92.8%)と、多くの声が寄せられました。

 回答者のうち、就業形態では正社員が71.7%と最も多く、契約社員(6.0%)、自営業・会社経営(5.8%)、公務員(5.1%)と続きました。業種は最も多い製造業で19.2%、続いてIT・通信(13.5%)、サービス(10.7%)とさまざまな業種の方が回答しています。職種は一般事務・営業事務が22.0%で最も多く、企画・広報・宣伝・販促(18.5%)、営業・販売・接客(10.1%)と続きました。役職では一般社員が31.6%、主任・係長クラスが21.9%、課長以上が27.9%、部長以上に限ると10.5%でした。

日経ARIA編集部では2020年4月14日から、読者を対象に「コロナ対策・リモートワーク 緊急アンケート」を実施。4月26日現在までの回答数は1107件(うち女性92.8%)と多くの声が寄せられている。
日経ARIA編集部では2020年4月14日から、読者を対象に「コロナ対策・リモートワーク 緊急アンケート」を実施。4月26日現在までの回答数は1107件(うち女性92.8%)と多くの声が寄せられている。

読者の64%が自宅でテレワークに

 まず、新型コロナウイルス感染拡大で働き方は変わりましたか?という問いに対して、「外出自粛になったため自宅でリモート勤務」と答えた人は、全体の64.0%。さらに、「その他」と答えた18.0%の中にも「在宅勤務と出社の半々」(PR業/経営者・役員/43歳)、「窓口もあり、交代で出勤と在宅勤務を不規則に行っている」(金融事務/主任・係長/48歳)といったケースが多く、何らかのテレワーク対応になった方は802人と全体の7割に上ります。一方、もともと自宅で仕事をしていて変化なしという人は全体の2.1%と少なく、新型コロナウイルスの感染拡大や、緊急事態宣言の発令を受けて、急にテレワークを求められた人が多いことがうかがえます。

 リーダークラスや管理職も多いARIA読者が、テレワークでどんなことに困っているのか、具体的に聞いてみました。

悩み1:テレワークの仕組みが整っていない

 なんといっても、急に「テレワークせよ」と言われて、どのように在宅で業務を進めていけばよいのか、戸惑う声が目立ちました。

 第一に自宅環境。「狭い部屋で新たに勤務用の机や椅子を置けないので座卓で仕事しているため足腰が痛い」(IT・通信/事務契約社員/50歳)、「テレワーク用のPCが全員に行き渡らず、PCなしの在宅勤務なので不自由。自宅のPCはほとんど使わないのでソフトのサポートが切れてしまっています…」(医療/事務/55歳)と、もともと仕事をする場所ではなかった自宅を、突然オフィス仕様にするのは難しいという声。

 また、「リモートワークやファイル共有など、(今までの慣れた)働き方を変更することに否定的な上司や会社上層部を説得する方法を知りたい」(IT・通信/制作/46歳)、「ITインフラも大切だが、経営層や幹部がもっと本気になって取り組まないと実現は困難」(金融事務/主任・係長/44歳)と、会社側にリモートできる文化がなく、業務遂行が滞ってしまっているという場合も。この状況であっても会社側の意識改革が進まず、一人自宅でもんもんとしてしまっている人もいるようです。

みんなの悩み「そこから始めなきゃいけないの?」 自宅環境を整えることから始める必要、家族や同僚など自分では変えられないことも