ドラマ黄金期に青春時代を過ごしてきた「テレビっ子」なARIAさんたちに、ドラマやテレビの最新情報をお届けする本連載。今回は、女性たちの内面を映し出すとして今、注目されているドラマプロデューサーをクローズアップ。テレビ東京の祖父江里奈さんです。ドラマコラムライターの田幸和歌子さんが、祖父江さんのこれまでのキャリアやドラマ制作への思いなどにについて話を聞きました。
チーフPになってから、さらに業務増大
ドラマを見るときに脚本家で選ぶという人は多いだろう。しかし、プロデューサーに注目してみると、近年では40〜50代に刺さる作品を多数手掛け続けてきた、ある女性の名前が浮上する。
それは、テレビ東京の祖父江里奈さん。『きのう何食べた?』(2019年)や『来世ではちゃんとします』(2020年)、『だから私はメイクする』(2020年)、『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記』(2020年)、『生きるとか死ぬとか父親とか』(2021年)などではプロデューサーを、『シジュウカラ』(2022年)や『雪女と蟹を食う』(2022年)ではチーフプロデューサー(CP)を務めている人だ。
女性の性や生きづらさをテーマにした作品を多数手掛ける名物プロデューサー・祖父江さんがドラマ作りで大切にしていることとは――。
「今年からは『ドラマ24』枠のチーフプロデューサーという立場で、企画募集し、全体のラインアップを考え、決めていく立場にいます。かといって、他の深夜枠やゴールデン帯のドラマなど、自分の企画では現場に出るので、業務が増えたかたちですね。これはおそらくテレビ東京ならでは。人がいないのに、ドラマ枠は非常に多いので、兼務なんです」
そう語る祖父江さんがCPとして携わるのが、現在放送中の『雪女と蟹を食う』だ。
これは、ヤングマガジン及びWebサイトで連載された気鋭の漫画家・Gino0808による同名漫画を原作に据え、ジャニーズWEST・重岡大毅が主演を、映画『ミッドナイトスワン』やNetflixドラマ『全裸監督』などの内田英治監督がメガホンをとる作品だ。
人生に絶望した主人公が、死ぬ前に蟹を食うと決め、強盗に押し入ったセレブ妻と北海道を目指して旅する「欲望と絶望」「生と死」が渦巻く物語である。