ドラマ黄金期に青春時代を過ごしてきた「テレビっ子」なARIAさんたちに、ドラマやテレビの最新情報をお届けする本連載。今回取り上げるのは、今、なんだかちょうど良い「飯尾さん」。ドラマコラムライターの田幸和歌子さんが、ずん・飯尾和樹の魅力に迫ります。

飯尾さんの売れっ子ぶりを表現するのが難しい

 今、「飯尾さん(53歳)」が、なんだかちょうど良い――そう感じている人は多数いるのではないだろうか。と同時に、思う。なぜ、何が、「ちょうど良い」のか。

 ここ数年、テレビでの露出を高めているずん・飯尾和樹(以下、飯尾さん)。天海祐希や星野源、平井堅など、多くの有名人がファンだと公言している「遅咲き芸人」だ。

 2019年から「ワリカツ!~おトクな割引生活~」コーナーで木曜レギュラーを務めている『ノンストップ!』(フジテレビ)や、準レギュラーとして出演している『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ)、不定期出演中の『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ)、『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日)などに加え、2021年10月からは『飯尾和樹のずん喫茶』(BSテレ東)、さらに2022年4月からは『ZIP!』(日本テレビ)の水曜パーソナリティーや『阿佐ヶ谷アパートメント』(NHK総合)の「住人」、『VS魂グラデーション』(フジテレビ)の「総支配人」など、近年はレギュラー番組だけでもさまざまな番組にさまざまなポジションで出演している。

 ドラマなどでのバイプレーヤーとしての活躍も目覚ましく、2年ほど前には「おじさんブーム」の一角としてももてはやされた。

 かと言って、飯尾さんの売れっ子ぶりを表現するとき、「今、一番勢いがある」とか「今、一番旬の」などの比喩はしっくりこない。なぜなら、ずっと昔から知っていて、芸風も変わっていないからだ。では、なぜ「今、ちょうど良い」のか。

近年、さまざまな番組にさまざまなポジションで出演しているずん・飯尾和樹 (c)テレビ東京
近年、さまざまな番組にさまざまなポジションで出演しているずん・飯尾和樹 (c)テレビ東京