ドラマ黄金期に青春時代を過ごしてきた「テレビっ子」なARIAさんたちに、ドラマやテレビの最新情報をお届けする本連載。今回は、ARIA世代にもファンが多いであろうあの朝の情報番組の人気の秘密に迫ります。

コロナ禍における『あさイチ』の存在感

 新型コロナウイルス禍によって、当たり前の日常が失われてしまった今。仕事がテレワークになったり、人と会う機会が激減したりする中、じわじわと「仮想・井戸端会議」「仮想・茶の間」感を高めているのが、『あさイチ』(NHK総合)ではないだろうか。

 取り上げるテーマが、実用性の高い生活情報や身近な社会問題、エンタメなど、中高年女性の関心や、家庭・仕事などで置かれた立場・境遇・心情に寄り添うものということも一因としてある。

 ただし、これらは女性誌の特集や読者投稿欄に近いテイストでもある。それに対し、『あさイチ』が特異なのは、SNSなどを通じてリアルタイムにお茶の間とつながること、そしてなんといっても、メインキャスターを務める3人、博多華丸・大吉と、2021年3月末から3代目キャスターに就任したNHKの鈴木奈穂子アナウンサーの存在だろう。

 博多華丸(以下、華丸)がコロナ感染で2022年2月14日から出演を見合わせていて、24日放送で13日ぶりに番組に復帰した際には、「ようやく日常が戻った」と安堵した人も多数いたと思う。とはいえ、この3人のバランスは、最初から成立していたものではない。