「うちには更年期ねぇんだよ」「はい!」も、いいかな
ナヲ 普段はお気楽だったとしても、そう思えなくなる、そういう精神状態になっちゃうのも更年期なのかもしれませんね。
善方 そうそう。揺らいじゃうから。思春期の裏返しみたいなものです。
ナヲ そうかー、2回目の思春期だと思えばいいのかな!
善方 子どもがいる女性の場合、子どもは思春期でいら立っているし、自分も更年期でイライラどかーん。家の中に台風上陸! みんなでわーわー騒いでる、みたいな構図も起こりやすいの。
ナヲ 私は思春期に反抗期がなかったんです。親に初めて「うるせーばばあ!」と言ったら「なんだこのヤロー!」って言い返されて、「こえー!」って2階の部屋に上がったら追いかけてきて馬乗りになってボコボコにされて。「うちには反抗期なんてねぇんだよ!」「……はい!」って。それ以来私には反抗期はありません(笑)。
「うちには更年期なんてねぇんだよ」「……はい!」もありかな。更年期なんて冗談じゃない! そんな暇ねぇわって、こんな感じでいたら、どんどんつらく悲しく痛く……という負のループは防げるかもしれない。
善方 その通り! 「どうとらえるか」ってすごく大きいんです。ちょっと汗をかいただけで「もうダメです」という人もいる。大量に汗をかいているのに、「さ、着替えてくるわ」ってトイレで着替えて「次のことやろうか」みたいな人もいる。実は同じ症状でもつらいと思っていない人もいます。
もちろん、つらくなってしまった人はどんどん病院で相談してほしいって思っています。この連載の1回目でお伝えした通り、『更年期に起こる症状で日常生活に支障が及ぶ』のが更年期障害。我慢しなさいなんて決して思っていません。まず、自分が更年期であることを認めて、やり過ごせるかどうか考えてみることが大事です。