低用量ピルは「卵巣温存ツール」って呼んじゃえ!

ナヲ なるほど、低用量ピルについては分かりました。それで、もう一つ。更年期に飲むホルモン剤っていうのは、それとは別ものなんですか?

善方 はい、別ものです。低用量ピルは、ホルモンの波をぐっと抑え込むだけの力が必要なので、ある程度用量が多いの。そこで、更年期にはもっと少ないホルモン量のHRT(ホルモン補充療法)に切り替えていきます。

 「低用量」に対して「ホルモン補充」。この言葉だけを聞くと、HRTのほうがホルモン量が多そうに思えますよね。でも逆で、HRTのほうがホルモン量は少ないの。HRTには、内服薬、貼り薬、ゲル状の塗り薬の3タイプがあって、症状や効き方をみながら、薬のタイプを使い分けます。症状が軽くなってきたら、少しずつ薬を減らして、やめていきます。

ナヲ へぇ! 全然知らなかった。だったら低用量ピルは「卵巣温存ツール」に名前を変えるといいんじゃないかな。「卵巣、温存したいでーす」みたいな(笑)。

善方 それは名案! 分かりやすいですね!

 来月公開予定の第3回は、ナヲさんが男性ホルモンや性欲にまつわる疑問をぶつけます。お楽しみに!

取材・文/柳本 操 写真/洞澤佐智子 ヘア&メイク/凜 衣装協力/ScoLar