沖縄のおばあとの再会も延期に

 執筆と並行して、まずは子どもの本の専門店として、前掲のクレヨンハウスをオープンしたのが1976年。45年目の春を迎えたところだ。絵本や童話、ヤングアダルトの本など「座り読み歓迎」(当時は珍しかった)からスタートし、東京・青山、大阪・江坂でオーガニックコスメやインナー、有機食材を集めた「野菜市場」、安全な玩具フロアなどを展開。並行して、2冊の雑誌、総合育児雑誌『月刊クーヨン』、暮らしを少し変えてみない? と呼びかけるオーガニックマガジン『いいね』を刊行したり、絵本や育児等に関する単行本の出版もやっている。いろいろやってるね、という風に見られることもあるが、要は、どれもが「こころとからだ」に深くかかわるテーマである。

 早くに夫を亡くし、ひとりで4人の子を育てあげた沖縄のおばあが、「このきれいな海さえあれば、あたしら、なんとか暮らしていける」(もっと豊かな独特な言葉であり、イントネーションだったが)とおっしゃったことがある。それはそのまま、この「こころとからだ」があれば、「なんくるないさー」という意味でもあるだろう。

 この3月に講演もかねて、沖縄に行き、おばあをはじめ、大好きなひとたちと再会する予定だったが、こちらも延期になってしまった。