人生には思いもよらぬことが起きるもの。肩の力を抜いて柔軟に「私の生き方」を見つけていこう――。先輩たちが半生を振り返って贈る、珠玉のメッセージ。日経WOMANの看板リレー連載を、日経ARIA読者にお届けします。逆境の中で開発したコスメブランドはたちまち大人気に。君島十和子さんは夫と共に化粧品ビジネスに本格的に取り組み、自ら広告塔となります。固定観念にとらわれず、美への感性を磨き続け、天職と思う美容の仕事を続けていきたいと語ります。

(1)母の口紅で目覚めた美への憧れ
(2)運命の結婚、逆境が生んだ化粧品
(3)美容は「天職」、常に全力で臨む ←今回はココ

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妹たちへ 君島十和子 運命の結婚、逆境が生んだ化粧品


君島十和子
美容家・FTCクリエイティブディレクター
君島十和子 1966年東京都生まれ。高校在学中に「JAL沖縄キャンペーンガール」に選ばれる。86年に女性誌『JJ』(光文社)の専属モデルとなり、ドラマや舞台でも活躍。95年に君島誉幸氏(現FTC代表取締役社長)との結婚を機に引退。専業主婦として2女の子育てに専念した後、2005年に化粧品ブランド「FTC(フェリーチェ トワコ コスメ)」を立ち上げる。「奇跡の50代」「美のカリスマ」としてライフスタイルが幅広く支持される。著書に『十和子道』(集英社)など。

 長く肌トラブルを抱えていたことがきっかけになって、学び始めた化粧品のことを、もっと極めたい─―。そんな思いが高じて開発したコスメブランド「フェリーチェ トワコ コスメ(現・FTC)」を39歳のときに立ち上げました。

 夫が経営するブティックなどで販売を始めると、たちまち口コミで評判となって、在庫も人手も追いつかない状況になりました。それまでの私は主婦。商品開発に関わるギャランティはいただいていませんでしたし、パッケージデザインなどは夫が行っていましたから、通常、価格に反映される開発費や広告宣伝費を抑えられたことも、買いやすさにつながったのだと思います。

 とはいえ、洋服も化粧品も、どちらも片手間ではできません。そこで、夫婦で化粧品ビジネスに専念することを決意。会社を立ち上げ、私が商品開発と宣伝を、それ以外を夫が担当することになりました。

コスメブランドを39歳のときに立ち上げると口コミで評判に。夫婦で化粧品ビジネスに専念することを決意
コスメブランドを39歳のときに立ち上げると口コミで評判に。夫婦で化粧品ビジネスに専念することを決意