人生には思いもよらぬことが起きるもの。肩の力を抜いて柔軟に「私の生き方」を見つけていこう――。先輩たちが半生を振り返って贈る、珠玉のメッセージ。日経WOMANの看板リレー連載を、ARIA読者にお届けします。女優・財前直見さんの1回目。地元の大分で就職をして、結婚して、子どもを産んで……という未来を描いていたなか突然、芸能界デビューのチャンスが舞い降ります。

(1)就職→結婚のつもりが芸能界へ ←今回はココ
(2)出産後、41歳で大分へ戻ることに
(3)50歳から資格を6つ取得


財前直見
女優
財前直見 1966年大分県生まれ。85年に女優デビュー。主演ドラマ『お水の花道』(99年、フジテレビ系)などで人気を博し、映画、ドラマを中心に幅広く活躍。近年の主な出演作に、連続テレビ小説『スカーレット』(2019年、NHK)、『黒鳥の湖』(21年、WOWOW)、『財前直見のおおいた暮らし彩彩』(21年〜、NHK大分)など。メンタル心理カウンセラー、終活ライフケアプランナーなどの資格を持つ。著書に『自分で作る ありがとうファイル』(光文社)、『直見工房』(宝島社)など

 今の季節、じいじ(父)が耕す畑ではキャベツに玉ネギ、ブロッコリーが育ち、山ではタケノコ、山菜がたくさん採れます。それを、ばあば(母)と私が料理したり、保存食にしたりします。大分県の国東半島にある財前家の畑や山では、季節ごとに自然の恵みが豊富で、田舎暮らしはなかなか大忙しです。

 普段は両親、息子と大分市内の実家で生活していますが、時折、畑のある田舎に行って、作物を収穫したりしています。そして、仕事のときは東京へ。そんな暮らしが15年ほど続いています。

 兵庫県で育った私が、生まれた大分県に戻ってきたのは、小学3年生のときのこと。当時、父が勤めていた製鉄会社の製鉄所が大分にできたことで、父は家族とともに故郷に戻ることにしたそうです。