人生には思いもよらぬことが起きるもの。肩の力を抜いて柔軟に「私の生き方」を見つけていこう――。先輩たちが半生を振り返って贈る、珠玉のメッセージ。日経WOMANの看板リレー連載を、ARIA読者にお届けします。作詞家・コラムニスト・ラジオパーソナリティー ジェーン・スーさんの最終回。これから迎える50代に向けて、今までのやり方を見つめ直します。

(1)私はずっとはみ出してきた
(2)最初の火種を消すと致命傷に
(3)フラフラした経験がジェーン・スーを生んだ ←今回はココ


ジェーン・スー
コラムニスト・ラジオパーソナリティ・作詞家
ジェーン・スー 1973年東京生まれ、東京育ちの日本人。コラムニスト・ラジオパーソナリティ・作詞家。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」(月〜木11:00〜)のパーソナリティを担当。2013年に発売された初の書籍『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)は、発売されると同時にたちまちベストセラーとなり、La La TVにてドラマ化された。2014年に発売された2作目の著書『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』は、第31回講談社エッセイ賞を受賞。他、著書に『ひとまず上出来』(文藝春秋)、『きれいになりたい気がしてきた』(光文社)など。

 10代の自分には「みんなとは違う、はみ出す自分に誇りを持って!」と、20代の自分には「女であることや学歴に尻込みせず、自分にもっと自信を持って!」と声を掛けてあげたかった。では、30代の私には? 「いいよ、その調子!」と、私は拍手を送りたい。

 30代の私はフラフラしていた。これが私の人生を良い方向に進めるのに功を奏したと思う。31歳で2社目の会社を退職し、半年間なんにもしなかった。毎日ずっと、朝から晩までパジャマ。CSで放送されていた海外ドラマを見ることだけが楽しみで、とにかくぐうたらしていたのだ。同棲していた男には、あきれられたのか、後々逃げられることになるのだけれど。

 なぜぐうたらしていたかといえば、働くことに疲れてしまったから。20代で、少しがむしゃらにやりすぎたのかもしれない。周囲が結婚だ、妊娠だとおめでたい話に湧くなか、私は「そういうことも考えねばならないね」と思いながら、いろいろとやり過ごしていた。