出生率改善で有名なのはフランスです。民事連帯契約(PACS、事実婚に相当)の下で生まれた子どもが差別されず、結婚しているカップルと同等の税制上の優遇や家族手当を受けられるようになりました。さらに、保育施設を充実させ、家庭と仕事の両立が図られました。これらを主因に出生率が1990年代半ばから増加しています。2002年以降は男性にも育休取得の権利が付与されました。ただ、移民による出生率押し上げの効果も無視できません。

 ドイツは出生率の回復には悩まされました。その対策として、保育の充実の他に、ユニークなところでは年金金額を子どもの数に応じて増やす方針を採りました。賛否両論ありますが、一つの考え方と言えます。最近の出生率の回復には、移民の増加の影響も大きいです。

先進国におけるジェンダー格差是正のための税・社会保障改革の動き。出所:IMF 2017

アジア新興国でも予測される「急速な人口減少」の理由

日経xwoman総編集長、日経ARIA編集長 羽生祥子(はぶ・さちこ)

羽生 アジア地域に目を向けたとき、特有の人口問題はありますか?

見明 日本ではそれほどでもありませんが、多くのアジア諸国では、生まれる子どもの男女比にゆがみがあります。男の子の割合が、本来生まれてくる数より明らかに多いのです。