「365日外食」で京都の食シーンを知り尽くしたライター中井シノブさんが、とっておきの京都、そして旬の京都をお届けする連載。第4回のテーマは「ひとり飲みが楽しめるバー」です。今回は、ARIA読者だけの「特典」もご紹介します!

町家バーや京都の夜景を楽しめるバー

 「ひとりでは入りづらい」と思いがちなバーですが、カウンターに座ってしまえば実は「ひとり時間」を最も楽しめる場所です。プロフェッショナルなバーテンダーは、客との距離の取り方も一流。ほどよく話しかけ、ほどよく離れ、客を心地よく過ごさせてくれます。

 京都には創業50周年を迎えた老舗バーから時代に合わせたルーフトップの備わるバーまで、多種多様なバーがあります。全国に名の知れたバーテンダーやカクテルコンペ優勝者など、バーテンダーの層も厚い「名バーの宝庫」なのです。

次の京都ぶらり旅、どのお店に行きますか?
次の京都ぶらり旅、どのお店に行きますか?

 今回は、京都でいま話題のルーフトップバーやお座敷もある町家バー、朝からワインを気軽に味わえる店、紹介制の特別なワインバーと、ひとりでこそ楽しみたい京都のバーをご紹介します。

 なかでも、最後に登場するワインバーは普段は紹介制。ですが、今回、特別に日経ARIA読者の方なら……と、紹介なしでも入れることになりました。とっておきのバーで過ごすひとり時間、ぜひご堪能ください。

ルーフトップで京の景色か、シックな店内で静かなひとときか

八坂の塔が目の前!
八坂の塔が目の前!

 2020年3月に京都東山の高台に開業した「ザ・ホテル青龍 京都清水」。その最上階にオープンしたのが、「K36 Rooftop」と「K36 The bar」です。日が沈む夕暮れ時を狙ってこのバーを訪れる人が後を絶ちません。

 その理由は目前に迫るライトアップされた八坂の塔のフォルムや、控えめに輝く京都の夜景の美しさ。初めて訪れたときは、京都でも数少ないその景色にすうっと息をのみました。

納谷直さんが好みを聞いてカクテルをつくってくれます。京都のジン「季の美」のほか「六」、「NO.3ロンドンドライジン」などをブレンドしたジンでつくる「K36ジントニック」1200円(税サ別)
納谷直さんが好みを聞いてカクテルをつくってくれます。京都のジン「季の美」のほか「六」、「NO.3ロンドンドライジン」などをブレンドしたジンでつくる「K36ジントニック」1200円(税サ別)
納谷直さんが好みを聞いてカクテルをつくってくれます。京都のジン「季の美」のほか「六」、「NO.3ロンドンドライジン」などをブレンドしたジンでつくる「K36ジントニック」1200円(税サ別)

 ルーフトップとインバー、2つのバーがあり、夕暮れ時ならルーフトップ、食事の後はシックなインバーと使い分けるのがお勧めです。ルーフトップで涼やかな風に吹かれながら味わいたいのは「K36ジントニック」。トニックのボトルがグラスに刺さった? スタイルはとても斬新です。自分で好みの濃さに調節しながら味わえるのがいいですね。

「丹波豚のパテ ド カンパーニュ」1400円(税サ別)。うま味のある丹波豚のカタ、モモ、バラなどさまざまな部位と鶏の肝を合わせて濃厚過ぎない味わいに。トリュフマスタードと共に味わって
「丹波豚のパテ ド カンパーニュ」1400円(税サ別)。うま味のある丹波豚のカタ、モモ、バラなどさまざまな部位と鶏の肝を合わせて濃厚過ぎない味わいに。トリュフマスタードと共に味わって

 写真の「丹波豚のパテ ド カンパーニュ」のほか、京都の食材を使ったフードも充実しているので、ここで夕食というのもいいでしょう。薄暮の中でゆったり過ごし、ふと後ろを振り返ると山の稜線(りょうせん)に月が昇っている。京都の夜の景色を堪能できます。