通い詰めて20年! 気軽にのれんをくぐれるすし店

 この店に通い始めて、もう20年くらいたつでしょうか。最初は、予約もせずにふらりと訪ね、確固とした料理の味とコストパフォーマンスの高さに驚かされたのですが……。

 以来、通えば通うほどに、また行きたくなる店になりました。

 「東寿し」の魅力は、すし店でありながら、一品料理が小料理屋並みに充実していること。お造りや焼き物はもちろんですが、他にも鯨ベーコン、すっぽん小鍋、季節によってはふぐや蟹料理も充実しているからたまりません。

太鼓判リスト4
東寿し
住所/京都市東山区正面通本町西入
電話/075-561-5471
営/12時~21時30分(L.O.) 休/木曜、第三水曜

 ふぐの季節ならまずはふぐ造り、赤貝とわけぎのてっぱい(ぬた)、きずし(しめ鯖)などで飲み、その後ににぎりを数貫。にぎりをしっかり食べてから、酒のさかなでじっくり飲むという人もいて、その自由さもまた、この店がずっと変わらず人気を保つ理由なのです。

 現店主の山本勲さんは2代目。先代の時代は、うどんや丼ものなどもある大衆食堂的な店だったそうです。今は修業先から戻った3代目の潤さんもカウンターに立ち、和気あいあいとした雰囲気。初めての客でも山本さんが気さくに話しかけてくれるから、店内はいつも笑い声で満ちています。すし店とはいえ、緊張は不要。正午~夜までの通し営業なので、小腹がすいた夕方早めや、昼飲みにもお薦めです。

手前は私が必ずといっていいほど注文する、酢の加減が抜群で脂が乗った「きずし」(1200円)。秋には「どびん蒸し」なども登場
手前は私が必ずといっていいほど注文する、酢の加減が抜群で脂が乗った「きずし」(1200円)。秋には「どびん蒸し」なども登場
握りは手前から、ウニ、中トロ、イカ、赤貝、うなぎ。1貫300円~。トロやウニ、赤貝など高級ネタも1貫500円とお値打ち
握りは手前から、ウニ、中トロ、イカ、赤貝、うなぎ。1貫300円~。トロやウニ、赤貝など高級ネタも1貫500円とお値打ち

取材・文/中井シノブ 写真/ハリー中西 ※価格はすべて税別。各店舗の営業時間、定休日などは6月26日時点の情報です