「働き方改革」の名の下に、企業では時短勤務、テレワークが導入される一方で、リーダーにはチームとしての成果を厳しく求められます。今、リーダーに必要なのは「再現性が高く、生産性が高い時短術」です。529社16万人に対して1万8798時間をかけて働き方改革を支援してきた、クロスリバー代表取締役社長の越川慎司さんがデータに裏付けされた超時短術を解説します。全3回でお届けします。

(1)働き方改革の最大の敵はムダな社内会議 時短するには?
(2)アイデア会議で確実に成果を上げる 超時短ブレスト術 ←今回はココ
(3)時短が目に見えて進む! メールの「新ルール」

―― 前回は無駄な社内会議の減らし方について伺いました。今回は、成果が出る会議について教えてください。

越川慎司さん(以下、敬称略) 売り上げや成果に最もつながる会議は、圧倒的にアイデア出し、ブレインストーミング(ブレスト)です。企画も、新商品の開発も、トラブル対応もすべてそうです。私がこれまで関わった中の221社を調べてみた結果、ブレストが効果を上げると、売り上げが増えることが分かりました。

「いいアイデア」よりも「大量のアイデア」を

―― ブレストで大事な点は何でしょうか。

越川 ブレストは、出されるアイデアの質を高めることよりも、量を増やすことが大事です。意外に思われるかもしれませんが、いいアイデアは、大量のアイデアの中に埋もれていることが分かったのです。部下に対して「いいアイデアを出せ」と言うよりも、「何でもいいから、アイデアを出せ」と言ったほうが効果はあります。管理職としては、部下が黙ったままの会議より、実現の可能性を無視してアイデアをどんどん言ってくれたほうがうれしいですよね。

―― とはいえ、部下の立場では、会議で自分の意見を言い出しにくい雰囲気はありますよね。

越川 そこで、アイデアを出せる空気づくりがとても重要になります。会議で何を発言しても怒られない、心理的安全性を確保するわけです。発言しないほうが安全だと思ったら、誰も話さないですから。

ブレストの会議で大事な4つのポイント。次ページから紹介します
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