それでもハードルが高いなら、ひとり旅の疑似体験を
―― ひとりで食事をする寂しさから、ひとり旅を敬遠する人も多いのですが。
石井 どうしても「ひとり旅はハードルが高い」という人は友人と旅行に行き、現地集合、現地解散、部屋は別々、行動も基本は別々にして、食事だけ一緒にするなど「ひとり気分」を疑似体験することから始めてみては。
秘湯や湯治温泉は案外おひとりさまが多いので気兼ねしなくてもよさそうとか、食事処でも個室タイプなら他人の目線が気にならないなど、新たな気づきもあるでしょう。
そこでひとりで過ごす時間の気軽さを味わえたら、次回はひとりの食事でも十分楽しめるはず。今では1年のうち200日は温泉を巡っている旅人の私も、実は友人と現地集合、ひとり一部屋のスタイルから始めたんですよ。ひとり旅に出掛ける人の多くは「ひとりが気楽」「ひとりで過ごすのが楽しいから」という理由で積極的にひとり旅を選ぶようになっています。「ひとりの時間も案外楽しいものだ」と思えないとしたら、ひとり旅は向いていないタイプなのかもしれませんね。
次回は厳選の「現代湯治宿」3軒を紹介します。
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取材・文/砂塚美穂
温泉ビューティ研究家・旅行作家