旅の目的をひとつだけ決めて行く

石井 ひとり旅は目的があるほうがいいですよね。「これだけは絶対やろう」ということをひとつだけ決める。例えば、「憧れの宿に泊まる」、「おいしいものを食べる」、「近くの神社に行ってみる」、「自分リセット」、「自分メンテナンス」……。一方で、あえて「目的を決めずにのんびりする」でもいい。たくさんは欲張らず、ひとつだけ達成すればよしとして。

―― 居心地のいい宿を見極める方法はありますか。

石井 まずは宿のホームページを見た時の印象や宿泊プランをチェックすること。サイトから受ける第一印象が自分好みのイメージと合っているか、ひとり宿泊の情報があるか、どんな層をターゲットにしている宿か。

 ファミリープランばかりに力を入れている宿では、ひとりで静かに過ごしたい時にくつろげないこともありますから、ひとり泊まりに向くかどうかを見極めるのは大事です。心身を整えることを目的にするシンプルなサービスの温泉宿には、365日同じ料金という宿もあって、ひとり泊まりの部屋から予約が埋まる場合が多いですね。

 私がお勧めしたいのは、友達と温泉旅行をした時に、気に入った宿があれば帰り際、スタッフに「次回はひとりで泊まってみたい」と相談してみること。比較的空いている平日利用で「おひとりさま歓迎」をうたう宿でも、例えば直近予約の週末利用やアニバーサリープランなど、サイトには載っていない裏メニューを教えてくれることも。また、直接伝えることで、再訪した際にひとりで心地よく過ごすためのアドバンテージにもなりますし。

ひとり旅では特に宿選びが重要。「ファミリープランばかりをうたう宿はひとり旅には向かないかもしれません」(石井さん)。写真は赤倉観光ホテルの露天風呂
ひとり旅では特に宿選びが重要。「ファミリープランばかりをうたう宿はひとり旅には向かないかもしれません」(石井さん)。写真は赤倉観光ホテルの露天風呂