夫婦二人きりの暮らしが長くなってくると、休みの日の時間をだんだんと持て余してしまうこともあったり、なかったり…。だからといって、「マンネリ打開のイベントを!」などと肩肘張る必要はありません。変わりなく流れるゆるーい時間の中にも、意外といろいろな楽しみがあるものです。妻の実家がある愛知に拠点を移したフリーライターの大宮冬洋さんが、結婚8年目のDINKS夫婦の週末時間をリアルにつづります。

行き帰りの心配無用の「遊び」を計画

 「週末の上京は難しそうだね。こんなときに遊びに行ったら先方のご迷惑になるよ」

 10月中旬に襲来して各地に大きな被害をもたらした台風19号。その大きさと進路の予想が出るとすぐに妻が言った。

 今回の週末お出かけは僕の出身地である関東地方に行き、親族や友人を訪ねる予定だった。はりきっていた僕はギリギリまで粘ろうとしたが、愛知県の海沿いの町で生まれ育った妻は声色を変えて中止を主張。こんなときは外出予定を早めにキャンセルし、避難情報に注意しながら自宅を守っているほうが世のため自分たちのためなのだ。

 唯一、実現可能な「遊び」は同じマンションに住む人たちとの食事会だ。会場を我が家にして、あらかじめ食材などをそろえて準備しておけば、行き帰りの心配は要らない。交流を楽しむと同時に、いざというときは助け合って避難することもできる。一石二鳥だ。

 7月掲載の記事「大宮冬洋 妻の地元で生活 大切にしたのは友達づくり」でも書いた通り、僕たち夫婦は愛知県蒲郡市にある賃貸マンションで暮らしている。近所に友達が欲しい僕は、あるとき自宅でのマンション忘年会を企画。同じ1階に住む3世帯が来てくれた。

 その後、2世帯は市内で家を買って引っ越したが、残った大場家(7月記事参照)のママ友つながりで上階の2世帯との交際も実現。今回も3世帯がわが家に遊びに来てくれる。僕たちも合わせると、大人8人と子ども5人。それなりの準備が必要だ。

今回はお出かけを中止して、交流のあるご近所さんを自宅へご招待。同じマンションに住んでいるだけという縁ですが、話してみると共通の趣味が見つかったりします
今回はお出かけを中止して、交流のあるご近所さんを自宅へご招待。同じマンションに住んでいるだけという縁ですが、話してみると共通の趣味が見つかったりします