夫婦二人きりの暮らしが長くなってくると、休みの日の時間をだんだんと持て余してしまうこともあったり、なかったり…。だからといって、「マンネリ打開のイベントを!」などと肩肘張る必要はありません。変わりなく流れるゆるーい時間の中にも、意外といろいろな楽しみがあるものです。妻の実家がある愛知に拠点を移したフリーライターの大宮冬洋さんが、結婚7年のDINKS夫婦の週末時間をリアルにつづります。

 「森田屋に行こうか。それとも岡田屋?」

 何の予定も入っていない週末の朝、僕と妻は9時過ぎまで寝坊する。パジャマのまま朝食を食べたり、平日にたまってしまった洗濯をしたり、テレビをダラダラと見たり。すぐにお昼になってしまう。

 このまま夜を迎えて、冷蔵庫にあるもので妻に何か作ってもらい、残っているビールや酒を飲むのも悪くない。でも、せっかくの休日。天気もいい。気分転換にちょっと出かけたいよね。

 そんな気持ちが一致すると、どちらからともなく冒頭の発言となる。飲食好きで家飲みも多い僕たちは、月に2回ぐらいのペースで酒のまとめ買いをしに行く。森田屋は豊橋市にある酒屋で自然派ワイン(ビオワイン)の品ぞろえが豊富だ。名古屋市にある岡田屋のほうは日本酒やクラフトビールをたくさんそろえている。甲乙つけがたい。うれしく迷っちゃうな。

 酒瓶は重いので自家用車は重宝する。僕はいつもの助手席。車までの荷物運びは喜んでやらせてもらいます!

煮魚に合うワインを探しに行こう

 普段は妻が料理をしてくれるので、たまには僕が作ろう。煮魚だけはなぜか僕のほうが上手にできるのだ。独身時代に買った料理本のレシピ通りに煮ているだけなんだけど。

 「いいね! 森田屋に行って、煮魚に合うワインを選んでもらうのはどう?

 すかさず妻が提案。煮魚=日本酒ではなく、あえてワインにするのは確かに面白い。自分たちで選ぶ自信はないけれど、森田屋の店員さんだったらあれこれ教えてくれるだろう。

店員さんにいろいろ教えてもらいながらワインを吟味…してる風ですが、実は1本1000円以上のワインならたいていおいしく感じます
店員さんにいろいろ教えてもらいながらワインを吟味…してる風ですが、実は1本1000円以上のワインならたいていおいしく感じます