結婚2年目の頃、岡崎城(徳川家康が生まれたところ。愛知県民の自慢の一つ)を見に行った際、帰りの運転を僕に任せたいと妻が言い出した。「トヨタ県」ともいえるこの土地柄に早くなじんでほしいと思ったのだろう。

 運転免許は持っているが、僕はどうしても自信が持てない。重大事故を起こしてから後悔しても遅いと思うのだ。かたくなに拒むと、「じゃあ一人で帰れば」と言われて悔しくなった。帰るなら車のいらない西荻窪に帰るよ……。

 車は確かに便利だ。電車が通っていない遠隔地にも気軽に行ける。荷物も運べる。だから、車の外では重い荷物は積極的に僕が持とう。家に戻ったら、買って来たモノを冷蔵庫や棚に入れる作業も引き受ける。妻は片付けが苦手なので、これだけでもうれしいようだ。

夫婦の胃袋を支える「サンヨネ」は、品質も活気も抜群

 今ではケンカをせずにドライブができるようになった。週末は、市内にあるサンヨネ蒲郡店へまとめ買いに行くことが多い。愛知県の東三河地方に5店舗だけ展開しているローカルスーパーだ。

 プライベートブランドをはじめとする品ぞろえは豊富で、品質は抜群によく、お値打ち価格のサンヨネ。飲み食いだけが共通の趣味である僕たち夫婦の体の半分ぐらいはこのスーパーの商品で構成されている。

サンヨネ蒲郡店の鮮魚売り場にて。手前のウマヅラハギも捨てがたいけれど、今夜はアジの刺身に決まりました
サンヨネ蒲郡店の鮮魚売り場にて。手前のウマヅラハギも捨てがたいけれど、今夜はアジの刺身に決まりました

 サンヨネにいると楽しい。商品がいいだけではなく、店員さんの表情が明るいからだと思う。営業時間は夜7時までと短く、正月もきっちり休む。さらに、「粗利益の半分を人件費に充てる」という驚きの制度があり、トヨタ系企業に劣らない給与水準なのだ。だから、安心して仕事に精を出せるのだろう。

 妻によれば、今夜の夕食はスンドゥブチゲ。先日、僕が義父と一緒に潮干狩りで取ってきたアサリをたくさん入れると、いいダシが取れるとのこと。野菜や肉、調味料はもちろんサンヨネで買おう。