投資の3つのタイプ 注目すべきは価値創造

 3種類の投資のうち1つ目は、「スキをつく投資」です。

 例えば、株価のチャートだけを見て「今これが買いだ!」と銘柄を選び、「今が売りだ!」と売却するようなタイプの投資です。正直、「何」に投資をするか、「なぜ」投資をするのかは関係ありません。タイミングを狙って勝った、負けたという行動は「投機」であるとも言えます。

 2つ目が「ゼロサム投資」です。

 シーソーのように価値が上がったり下がったりするだけで、新しい価値を生み出さない取引を「ゼロサム」と言います。例えば、為替の取引が典型的なゼロサムです。一方が上がれば、一方が下がり、誰かの損が誰かの利益という構造です。「ゼロサム投資」は、買った値段と売った値段の差分だけが利益です。新たな価値を生み出さないので、その行動により世の中が良くなることはありません。

「投資」には、タイミングのスキをつく投資、ゼロサム投資、プラスサム投資の3つの種類がある
「投資」には、タイミングのスキをつく投資、ゼロサム投資、プラスサム投資の3つの種類がある

 そして3つ目が「プラスサム投資」です。これこそが先行き不透明なときの唯一の選択肢と言えるでしょう。将来に向けて価値を創造する資産に出資をし、応援していく行為を指します。良い会社に投資をし、その会社の成長がすなわち私たちの暮らしの豊かさにつながる、そういう良い循環が継続していくことが「プラスサム」です。「いつ」よりも「何・なぜ」が重要です。