惰性で置き去りにしているお金もチェック

 口座のチェックをした際に、お金の置き場所も惰性でそのままにしていると気づくことがあるでしょう。例えば、いまだに財形貯蓄をしているという方はいませんか? それって、お金は成長しているでしょうか?

 かつて財形貯蓄は税制優遇がある貯蓄制度としてもてはやされました。元利550万円までは非課税だったからです。平成の初期までは金利も高かったので、受け取る利息も大きく、そこに課税されないのは大きなメリットでした。しかし今の財形の金利では、非課税メリットはわずかです。さらに、税制優遇が受けられるのは住宅財形と年金財形だけで、一般財形はそもそも税制優遇がありません。

 もし、何かしら社内優遇制度が設けられていれば別ですが、そうでなければたんす預金と同じです。特に問題意識を持たずに「ただやっているだけ」では、お金の成長は見込めません

 定期預金もしかりですね。どうせ他も大して金利がつかないからと、給与が振り込まれる普通預金口座に置きっぱなしという方も多いです。これはもったいないですね。惰性で0.010%の定期預金を何年継続してもメリットはあまりありません。運用についても、あらためて取り上げていきます。


 筋トレというと汗を流してストイックに取り組むイメージがありますが、家計の筋トレは、ほんの少し行動を変えるだけで人生が変わります。ぜひ試してみてください。

文/山中伸枝 写真/PIXTA