時間に追われる忙しい毎日も、仕事でうまくいかないことがあったときも、「あの人」のことを思えば頑張れる…。いくつになっても「好き」は私たちにポジティブなパワーを与えてくれます。何かと責任を負う場面が多くなった今のほうが、日常とは別の世界にいる誰かを愛で、夢中で追いかけるひとときがより尊さを増すのではないでしょうか。ARIA世代の女性たちが、大好きな「推し」への愛をたっぷりと語ります。

 レストランのPRの仕事をしている神事まゆみさんは、子どもの頃からのプロ野球好き。中学時代からは、友人と共に通っていた学校に近い神宮球場でヤクルトスワローズの試合を観戦するようになったが、どちらかといえばずっと「箱推し(選手個人ではなく球団のファン)」だった。

 しかし、数年前からはある選手の存在が気になり、仕事帰りの試合観戦だけでなく、有休を使って練習場やキャンプ地にも足を運ぶほど熱心に応援している。その選手とは、今季東京ヤクルトスワローズから北海道日本ハムファイターズに移籍した秋吉亮投手だ。

今季から北海道日本ハムファイターズに移籍した秋吉亮投手を熱心に応援している神事まゆみさん。社会人として経験を積んだ今だからこそ、目立たないながらも信頼を集める「中継ぎ」というポジションに共感を覚えるという

中継ぎは抑えて当然、打たれたら非難される大変な役割

 ピッチャーというと、注目を集めることが多い花形のポジションというイメージだが、秋吉選手の専門は中継ぎ。一試合当たりの投球回は少ないながら、打者を確実に抑えて、次の投手にバトンを渡すのがその役目だ。スポーツ紙の一面を飾ることもない、ある意味縁の下の力持ち的な存在といえる。

 「中継ぎ投手は、本当に日の目を見ないんですよ。それでいて、打たれたらすごく非難される。例えばチームが勝っていて、7回に出てきたとします。その時点で3点リード無失点。このままいったら先発投手が勝ち投手になれるタイミングです。そこで満塁ホームランを打たれて負けたら、絶対に中継ぎのせいになるんです。そういう大変な役割を担っているところがすごく応援したくなる理由です

 秋吉選手が社会人野球からスワローズに入団したのは2014年。当初は「変わった投げ方をする選手が入ったな」という印象を持った程度で、他の選手と同様に応援していた。しかし、15年ごろからその存在を意識するようになる。