時間に追われる忙しい毎日も、仕事でうまくいかないことがあったときも、「あの人」のことを思えば頑張れる…。いくつになっても「好き」は私たちにポジティブなパワーを与えてくれます。何かと責任を負う場面が多くなった今のほうが、日常とは別の世界にいる誰かを愛で、夢中で追いかけるひとときがより尊さを増すのではないでしょうか。ARIA世代の女性たちが、大好きな「推し」への愛をたっぷりと語ります。

 人は思いもかけないところで、心を奪われて抜け出せなくなってしまう「沼」に出会ってしまうもの。「それまでは、全然興味なんてなかったのに……」とは、これまでこの連載に登場したARIAさんたちもしばしば口にしていることだ。通信会社の人事部で働く櫻井涼さんもまたそんな一人。韓国の男性アイドルグループ「MYNAME」のリーダー、コヌを熱烈に推す「コヌペン」になって5年になる。

「コヌペン」歴5年の櫻井涼さん。手にしているのは、ハングルで「コヌ」と書かれた応援グッズ。ボードは東京・新大久保のショップで発注したそうです
「コヌペン」歴5年の櫻井涼さん。手にしているのは、ハングルで「コヌ」と書かれた応援グッズ。ボードは東京・新大久保のショップで発注したそうです

「リリイベ」に個別握手会…ファンは大忙し!

 「アイドルのファンになるのも初めてだし、『コヌペン』とか『ペンミ』とか、韓国語をカタカナ語化したファン用語も最初は分かりませんでした。『ペン』は、日本語の『ファン』に当たる韓国語。つまりコヌペンはコヌファン、ペンミはファンミ(ファンミーティング)のことです」

 MYNAMEは2011年に韓国でデビュー。現在は日本を中心に活動している。メンバー5人は流ちょうに日本語を話し、長身で美形、歌唱力も高く、その完璧なキラキラっぷりはまさに「ザ・アイドル」。新曲がリリースされるたびに、櫻井さんはメンバーに会える各種イベントに足を運ぶ。

 櫻井さんの解説によると、MYNAMEのイベントは大きく分けて3種類ある。1つ目はCD発売に伴う無料のリリースイベント(通称リリイベ)。生歌で新曲が披露されるほか、CD購入者を対象にメンバーと握手ができる特典会も一緒に行われる。2つ目はライブ。そして3つ目は個別握手会(通称個別)。それって何ですか?