水分値は60代で油分値は20代、に隠されたメッセージ

―― 水分値は63歳なのに油分値は28歳。どういうことなのでしょう?

片桐院長(以下、敬称略) 「水分値は63歳だけど、油分値は28歳だから助かった」って思ったら大間違い。肌年齢を決定するほとんどは水分値です。

鶴賀さん(以下、敬称略) (図星の指摘に)えー! ということは、私の肌年齢は、つまり63歳……。

片桐 さらによくないのは、水分値と油分値の年齢が10歳以上、鶴賀さんの場合はそれどころではないですけど、かけ離れていることです。こういう肌を「インナードライ」と言い、40代、50代の女性にとても多いんです。スキンケアをちゃんとしているつもりなのに間違っているのか、肌のバリア機能が落ちてしまって水分を入れても入れても蓄積されずに出てしまうのか。いずれにしても、皮膚には油を出す皮脂腺はあるけれど水を出す腺はないので、少ない水分を守ろうとして皮脂腺から過剰な濃い油分が出ます。測定装置は「油分がたくさん出ているので、油分の年齢は若いとしましょう」と判断しますが、これは明らかにSOSサインなのです。

鶴賀 油分が多いというと、脂性肌とは違うんですか?

片桐 違います。脂性肌は水分値が十分ある上に油分が多い肌のこと。インナードライは、少ない水分の蒸発をなんとか防ごうと頑張って過剰に油分を出している状態です。

装置の判断では総合的には「良い状態」でしたが、医師がデータを読み解くと肌からのSOSが聞こえるのだそう
装置の判断では総合的には「良い状態」でしたが、医師がデータを読み解くと肌からのSOSが聞こえるのだそう

―― 毛穴、キメ、明るさなども若く出ていますが。

片桐 水分と油分こそが、肌の8割をつかさどるような重要な指標なんです。肌のバリア機能、透明感、ハリ感。すべてを左右するのが水分と油分です。それ以外の指標はおまけみたいなもの。ちなみに、インナードライの方は、毛穴の年齢が非常に若く出ます。乾燥して砂漠状態になっていると、毛穴を感知しにくくなるんですよ(笑)。

鶴賀 (絶句)……。

片桐 でも、救われる点があります。一つだけだけど、おまけではない、大きな一つ。それは、肌のキメが28歳と若く出ていることです。