早めに気になる「老後のこと」 

 現実的な話で言えば、老後のことは早めに情報収集したほうがいいですね。一般的には、40代半ばくらいではそこまで老後のことを考えないと思いますが、子どもがいない人の特性で、早く心配になるんです。これまであまり事例を知る機会がなかったこともあり、マダネ プロジェクトの会でも老後のことをテーマに取り上げてほしいという声はすごく多いです。

 私自身、老後問題には早くから着目していて、終活アドバイザーという資格も取りました。いろいろ勉強していくうちに、「子どもがいない人は遺言書を書いておいた方がいい」と気付き、自分も書きましたし、皆さんにもお伝えしています。遺産が自分の意思とは異なる相続先にいくことを防ぎ、残された人の負担を軽減するのが、その理由です。

「老後問題には早くから着目していて、いろいろ勉強していくうちに、『子どもがいない人は遺言書を書いておいた方がいい』と気付き、皆さんに伝えています」
「老後問題には早くから着目していて、いろいろ勉強していくうちに、『子どもがいない人は遺言書を書いておいた方がいい』と気付き、皆さんに伝えています」

 人間、死ぬときは誰でも一人ですけど、死んだ後、葬儀や手続きなど、子どもがいれば託せる部分がある。遺産は自動的に子どもに渡るだろうし、荷物の片付けもなんとかしてくれるでしょう。でも子どもがいないと、病気になったらどうしよう、お墓はどうする? など、心配になることがいろいろある。遺産はきょうだいで分けてもらえばいいのか、かわいいおいっ子に全部渡したいのか。それとも、どこかの団体に寄付をするのか。子どもがいない人が増えると、遺贈のニーズも高まると思います。