女性のライフステージを考えるとき、「子育て」や「母であること」が大きなイベントとして語られる一方で、子どものいない人生についてスポットが当たることはほとんどありませんでした。この連載では、これまで表には見えてこなかった女性たちの気持ちに寄り添う活動をしている、大人ライフプロデューサーのくどうみやこさんにお話を聞いていきます。今回は、「ママ賛美」の陰で子どものいない女性が人知れず感じている肩身の狭さについてです。

 子どもがいない人に話を聞いていると、「肩身が狭い」「生きづらい」という声はとても多いです。

 私が子どものいない人の人生について考え始め、マダネ プロジェクトを立ち上げた6、7年前、活動に賛同してくれる人は見つかりませんでした。「え、この少子化の時代に子どもがいない女性をサポート?」というような反応です。別に子どもを持たないことを推奨しているわけではないし、ただ「そういう人たちがいる」と言っているだけなのですが、なかなか理解してもらえませんでした。

 2013年ころ、当時はママ賛美みたいなブームがやって来ていたんですよね。多くのママタレントがメディアでスポットを浴び、その次は美魔女ブーム。美魔女も、「ママでもきれい」「子育てしていてこんなにきれい」というようなことがアピールポイントだったりしました。

 世間の意識を痛感させられたのは、ある会合に参加したときです。当時、女性活躍がうたわれ始めていて、市や県レベルでさまざまな取り組みが行われていました。その一環で行われた自治体主催の集まりに、一応女性活躍の当事者の一人だと思って行ったんです。そうしたら、基本的には「ママたちがどう活躍するか」 がテーマで、参加者の9割が子どもを持つ方。子育てが大変だということを一生懸命お話しされていました。

くどうさんが子どものいない人の人生について考え始め、マダネ プロジェクトを立ち上げた6、7年前は「え、この少子化の時代に子どもがいない女性をサポート?」という反応がほとんどだったという。
くどうさんが子どものいない人の人生について考え始め、マダネ プロジェクトを立ち上げた6、7年前は「え、この少子化の時代に子どもがいない女性をサポート?」という反応がほとんどだったという。