でも、思ったように事は進みません。たまたま機会があって転職することになったのですが、新しい会社は女性の係長や課長がいる、当時としては画期的な職場。広告宣伝の部署に配属され、そこで仕事の面白さに目覚めました。

 ところが会社の再編で部署が解体され、営業事務の部署に異動。やりたい仕事はできなくなり、結婚相手もいない……まさに暗黒時代です。そんな28歳のとき、知り合いの紹介でアパレルのプレスで働き始めました。

30歳を過ぎたら「いずれ結婚すればいいや」と焦りなく

 アパレルの世界では、今まで会ったことがないようなスーパーウーマンたちが大活躍していました。面接で私を採用した女性役員はいろんなブランドを手掛けてきた人。「今までは大企業の看板で世の中が回ってきたけれど、これからは会社に頼らず、自分で生きていける力を持たないとダメ」と教えられました。

 再び仕事にのめり込んでいき、気付いたら30歳を超えていました。30といえば、当然結婚していると思っていた年齢。でも、いざ過ぎてしまったら「いずれ結婚すればいいや」と、逆に焦りがなくなってしまいました。

「30歳をいざ過ぎてしまったら『いずれ結婚すればいいや』と、逆に焦りがなくなってしまいました」
「30歳をいざ過ぎてしまったら『いずれ結婚すればいいや』と、逆に焦りがなくなってしまいました」