50歳でたどり着いた「日本一の映画宣伝マン」という目標

星野 30歳を超えたぐらいで「チーム部長」になっちゃって、誰も一緒にランチに行ってくれなくなりました。だから、無理やり月曜日はランチミーティングに設定(笑)。今もそうなんですけど、週に一回はランチミーティング。その日以外は部屋に籠もって一人でお弁当を食べて。お酒も飲めないのを公言していたら、飲み会も誘われない。年に一回の忘年会でも2次会は自主的フェードアウト。座持ちが悪いので、まあいいかと思いつつ、たまに夫にメールで愚痴りますが。

―― 今の夢や目標はなんですか。

星野 転職活動に失敗し、「映画しかない」と気付いてからの夢は「日本一の映画宣伝マンになる」ということです。映画宣伝は、モノではなくコト、物語を売るということ。つまり、体験を売っていく仕事。やっぱり映画宣伝はとてもすてきな仕事だと改めて思います。

―― この先の50代、60代はどういうふうに年を重ねていきたいですか。

星野 仕事に求められる人材でありたい、でも仕事にしがみつかないようにしたいと思っています。80歳まで生きると考えると、逆算してあと29年をどう生きるか。例年、元日に「やることリスト/TO DO LIST」を手帳に生々しく書いていたんですけど、今年はまだできていないんです。なぜなら、「51歳になる」というのがあまりにも衝撃的で……。

―― 区切りの50歳じゃなくて51歳が衝撃だったのはなぜ?

星野 なぜか昨年は気にならなかったんですよね。50歳を迎える昨年は、フォックスへの転職が決まっていたので、「年齢」どころじゃなかったのもありますが。

 今後は、もしかしたら仕事のスタイルを変えていくかもしれないですね。宣伝マンという仕事の寿命は55歳くらいまでじゃないかな、と思っているんです。しかも、私たちの会社は米ウォルト・ディズニーに買収される事が決まっています。この先どうなるかは分かりませんが、残りの人生をどう生きるか考えるいい機会だと捉え、しっかりキャリアデザインをし直したいです。でも、まずはこの太った体をどうにかしなきゃいけないです(笑)。

◆変更履歴:リード文中の「読者の声」を「40~50代のARIA世代の声」に修正しました(2019年3月5日)

取材・文/市川礼子(日経ARIA編集部) 写真/鈴木愛子