「あなたが働き続けているのはなぜですか?」 40~50代の働く女性には、たくさんの選択肢がありました。一つの会社で働き続ける。転職をする。いったん会社を辞めて再就職する。起業する……。試練を乗り越え、転機を味方にし、使命と出合った「ARIAなひと」4人にインタビューしました。アンケートで集まった40~50代のARIA世代の声も紹介します。

ARIA世代 私の「働く使命」

きょうのARIA代表
20世紀フォックス映画マーケティング本部長 星野有香さん(51歳)

【星野さんのこれまでの経歴】
24歳:広告代理店入社 29歳:独立系配給会社ギャガの宣伝部に転職 36歳:結婚 38歳:宣伝担当取締役執行役員(CMO)に 41歳:代表取締役社長に。半年後、再び執行役員に 43歳:パラマウント・ジャパンの宣伝本部長に 48歳:パラマウント日本支社閉鎖後、GEM Partnersに転職 50歳:20世紀フォックス映画にマーケティング本部長として着任

「フレディ・マーキュリー」の人生を世に広めるということ

―― 累計動員860万、累計興行収入は120億円を突破し、2018年の映画興行収入ランキング1位を記録。ARIA世代の心もグッとつかんだ大ヒット映画『ボヘミアン・ラプソディ』の宣伝を統括していましたね。

星野有香さん(以下、敬称略) 2018年2月、50歳で20世紀フォックス映画(以下、フォックス)にマーケティング本部長として着任してすぐ、大ヒットとなった『グレイテスト・ショーマン』と同じくらいの可能性を秘めた秋の大作という位置付けでした。私は、仕事に大事なのは「ファーストインパクト」だと思っているんです。転職してすぐに大きな成果を残せてホッとしています。

―― 29歳からのおよそ20年間、ずっと映画宣伝に携わっています。星野さんの「働く使命」はなんですか?

星野 難しい質問ですね……。「映画を通して多様な価値観を世に広めること」でしょうか。『ボヘミアン・ラプソディ』がまさにそう。主人公のフレディ・マーキュリーはいわばマイノリティーですよね。移民でありゲイであり、家族も否定してパフォーマーになる決意で生き抜いた。私は日本の男性優位な社会においては、女性もまだマイノリティーだと思っているんです。だからフレディのような立ち位置の人に対して、女性は深いところで共感する部分がある気がします。それがあの映画の女性動員が伸び、大ヒットにつながった要因の一つだと思います。

―― 「多様な価値観を広めるため」に仕事を続けているということですね。

星野 カッコよく言うとそうですし、もちろんそれは大きな柱ですが。そもそも私がなぜずっと仕事をしているのかって考えると、たぶん仕事しかできないからなんです(笑)。家事は苦手で、料理は夫が作ってくれている。仕事をすることでしか人とつながれなくて、仕事で誰かの役に立つことでつながりが生まれている。子どももいないし、仕事がなかったら何する? っていうぐらい。そういう意味では、ワークライフバランス……のバランスってなんだっけ? という感じです。

―― 休日は何をして過ごしているのですか?

星野 実はポケモンGOブームが続いています。それが夫との唯一の共通の趣味。フォックスの韓国やシンガポールのスタッフと「フレンド」になって毎日ギフトを交換しています。あれは楽しいですね。週に1回ピラティスにも行っていますが、全く痩せません。劣化し続ける体をどうにかしなきゃと、本腰を入れて対策をしようと思っているところです。

次ページからの内容
・東日本大震災で「メジャー」に転身
・「絶対にこの映画はヒットしない」に燃えたぎる
・「マジ!」 47歳の転職活動で大ショック
・「うっかりしている長女」みたいなリーダー
・日本一の宣伝マンになる
・「51歳」におののいた今年の正月