1990年代に大ブレイクしたカラーセラピーであるオーラソーマ。その第一人者だった野田さちこさんが新たな色彩心理実践法「カラーリアム」を立ち上げたところ、再び注目が集まっています。メディカルクリニックや、フリースクール、高齢者のリハビリ活動を行う介護施設での導入もあるというカラーリアムについて知るために、野田さんを訪ねました。

(上)オーラソーマ大ブレイク後、覚え始めた違和感 ←今回はココ
(中)養子の息子と思春期でぶつかりあった日々
(下)記者が「カラーリアム」を体験してみた

カラーコーディネーターからカラーセラピーへ

―― 「色のチカラ」に注目し、仕事にしようと思ったきっかけを教えてください。

野田さちこさん(以下、敬称略) 大学卒業と同時に専業主婦になったのですが、家事にすぐ飽きてしまい、塾の講師を始めました。でも3年で離婚。「この先、どうしようか」と思っていた時に、カラーコーディネートをしてもらう機会がありました。肌や目や髪の色に合わせ、自分に似合う色を診断してもらうものでしたが、とても楽しかった。その時は、まさかそれが自分の仕事になるとは思いもしませんでした。

色彩心理実践法「カラーリアム」を立ち上げた野田さちこさん
色彩心理実践法「カラーリアム」を立ち上げた野田さちこさん

 私にカラーコーディネートをしてくれた先生のもとにたまたまその時、化粧品会社から大きなキャンペーンの仕事が舞い込み、お手伝いすることになったのです。そこで日本全国津々浦々、約1万人の似合う色を診断しました。自分に似合う色を知って、皆さんが生き生きしていくのを見て、私自身が喜びを感じましたね。次第に色への関心が強くなっていきました。

 その一方で、単に似合うかどうかだけではなく、「色には人の気持ちに影響を与える何か大きな力がある」という思いが募るようになりました。

 そんな折、洋雑誌で見かけたカラフルな瓶に目がくぎ付けになったんです。それが何であるのか。何をするものなのかも分からないのに、ただただワクワク感が込み上げてきて、いてもたってもいられず、単身イギリスへ渡りました。