―― そこから抜け出したきっかけは?

楠本 親友が助けてくれたんです。「あなたは何がやりたいの?」って聞かれて最初は答えられなかった。でも「ずっと変わらず自分が好きだったこと」を突き詰めた結果、「アロマがある」と気づいた。そこからまさに学び直し。猛勉強して7年間かけてこれからの自分に必要と思ったアロマやハーブの資格をすべて取得しました。最後は好きなことが自分を支えてくれた。自分を諦めなくてよかったです。

 実は私、英国IFA認定アロマセラピストの資格を取得できるまでは「人前で話す資格がない」と思い込んでいたところがありました。今ではキャンセル待ちが20名以上出るほど当たった講座ですが、最初は「私でいいのかな」という気持ちが先立ちました。自分の言葉がお客様にダイレクトに届く喜びを知って、今ようやく自信が持てるようになったくらいです。「スポットライトの真ん中に立つ自分、嫌いじゃないな」という新たな発見に自分自身、驚いているくらいです。

ずっと「自分探し」していた、30代、40代

―― 転機となった50歳以前はどうでしたか。