ビジネスパーソンに欠かせない「エクセル」。誰もが使うソフトですが、操作方法は無手勝流という人が意外に多いようです。しかし、それでは仕事の時短は進められません。この連載では10分、20分かけている作業を、一瞬で終わらせるワザを紹介します。今回は、とっつきにくい印象が強い「VLOOKUP関数」を素早く理解して使いこなす方法です。

仕事に欠かせない!「VLOOKUP」を克服

 仕事で利用することが多い、VLOOKUP(ブイルックアップ)関数。エクセル利用者なら避けては通れない必須関数ですが、「難しい」と苦手意識がある人も少なからずいるでしょう。また、部下に使い方を教える際、仕組みを説明するのも大変です。

 VLOOKUP関数の仕組みを知れば、自由に使いこなせるようになり、データの検索と転記があっという間にできるようになります。

2020年にVLOOKUPの進化形が登場したが…

 いきなりですが、「Office365」で最新版のエクセルを使っている人に朗報です。2020年1月から、VLOOKUP関数をより簡単に使えるように改良した「XLOOKUP(エックス・ルックアップ)関数」が、新機能として加わりました。これで、今までややこしくて敬遠していた人も、楽に使いこなせるはずです。

 とはいえ、XLOOKUP関数は、ファイルを渡す相手が旧バージョンのエクセルを使っている場合は利用できません。また、XLOOKUP関数をうまく使いこなすには、VLOOKUP関数の仕組みを理解しておくことが大事です。そこで今回はVLOOKUP関数について解説します(XLOOKUP関数は、次回解説します)。

一覧表から、値を検索して取り出す関数とは?

 VLOOKUP関数はSUM関数などとは違い、計算をするためのものではありません。検索して、条件に合致する値を取り出す関数です。VLOOKUPの「V」はVertical(垂直)の略で、一覧表を垂直に探す(Look Up)はたらきを持っています。

 垂直に探すとはどういうことなのか、イメージがわかないかもしれませんが、私たちが普段している行為と同じです。例えば、同僚から「鈴木さんのメールアドレスと電話番号を教えて」と頼まれたとき、どうしますか。名簿の一覧から鈴木さんの名前を探し、その横に記載されているメールアドレスと電話番号を見つけて、相手に知らせるでしょう。VLOOKUP関数の役割は、まさにこれと同じです。

名簿データの氏名欄で「鈴木憲弘」を探して、その横にあるメールアドレスと電話番号を見つける。これと同じことをエクセルで実現できるのがVLOOKUP関数だ
名簿データの氏名欄で「鈴木憲弘」を探して、その横にあるメールアドレスと電話番号を見つける。これと同じことをエクセルで実現できるのがVLOOKUP関数だ