ビジネスパーソンに欠かせない「エクセル」。誰もが使うソフトですが、操作方法は無手勝流という人が意外に多いようです。しかし、それでは仕事の時短は進められません。この連載では10分、20分かけている作業を、一瞬で終わらせる技を紹介します。今回は、表示を手間なく自在に切り替える方法です。

 書類を作成するとき、日付を入力する機会は多い。例えば、名簿なら生年月日、請求書なら請求日を入力します。そこで今回は、日付を素早く入力し、日付の表示を一瞬で変幻自在に切り替える方法を紹介します。

日付の入力はショートカットキーで一発

 皆さんは日ごろ、エクセルでどうやって日付を入力していますか。作業当日の日付を入力するにはキーボードで「Ctrl」キーを押しながら「;」(セミコロン)キーを押すだけでOKです。瞬時に「2020/4/6」と入力されます。時刻の場合は「Ctrl」キーを押しながら「:」(コロン)キー。2つセットで覚えておきましょう。

エクセルで思い通りの日付表示がすぐできた!
「Ctrl」キーを押しながら「;」(セミコロン)は日付、「:」(コロン)なら時刻の自動入力ができる
「Ctrl」キーを押しながら「;」(セミコロン)は日付、「:」(コロン)なら時刻の自動入力ができる

 今年の日付なら、例えば「3/24」とだけ入力すればOK。いちいち「2020」と年まで入力しなくても、エクセルが自動的に2020年と認識します(別の年の日付の場合は、入力する必要はあります)。一度入力した日付は入力し直さなくても「2020/3/24」「2020年3月24日」「2020/3/24(火)」などと、簡単に表示を切り替えられます。

 これができるのは、エクセルが日付データを「シリアル値」で管理しているため。1900年1月1日をシリアル値「1」とした連番で管理しており、同年1月2日は「2」、3日は「3」……となります。2020年3月24日は「43914」です。このデータを基に、表示を切り替えているわけです。ちなみに「1900/1/1」より前の日付は対応していません。もっとも、日常業務で使うことは、ほぼないと思いますが……。

生年月日を「元号」で手入力する必要なし

 生年月日を昭和や平成、令和といった元号で入力したいとき、わざわざ「1999年は平成11年だから…」と計算して手入力するのは時間の無駄です。日付は西暦で入力して、和暦に表示を簡単に切り替えられます。まず、生年月日が入力されたセルを選択して右クリック。表示されるメニューから「セルの書式設定」を選びます。

生年月日など元号で表示したいことは意外に多い
生年月日など元号で表示したいことは意外に多い
セルを右クリックしてメニューから「セルの書式設定」を選択。開く画面の「表示形式」タブで「日付」を選び(1)、「カレンダーの種類」で「和暦」を選んで(2)「OK」ボタンを押せば完了。元年表示にする場合は「1年を元年と表記する」のチェックをオンにする(3)
セルを右クリックしてメニューから「セルの書式設定」を選択。開く画面の「表示形式」タブで「日付」を選び(1)、「カレンダーの種類」で「和暦」を選んで(2)「OK」ボタンを押せば完了。元年表示にする場合は「1年を元年と表記する」のチェックをオンにする(3)

 開く画面の「表示形式タブ」で「日付」を選び、「カレンダーの種類」で「和暦」を選びます。用意されている和暦の表示方法は2種類あり、「R2.3.24」のように元号をアルファベットで表す方法か、「令和2年3月24日」と表示する方法を選べます。なお「1年を元年と表記する」のチェックをオンにすると、「平成1年」や「令和1年」は「平成元年」「令和元年」と表示されます。(*)

 ちなみに「セルの書式設定」画面は頻繁に使うので、素早く開くショートカットキーを覚えましょう。「Ctrl」キーを押したまま「1」キーを押します。1番よく使う設定画面なので「1」と覚えておきましょう。「1」は、キーボード左上にあるキーです。テンキーでは開かないので、注意してください。

(*)「1年を元年と表記する」は、エクセルのバージョン「1909 (ビルド 12026.20320)」以降から可能。バージョンの確認方法は、エクセルの「ファイル」メニューから「アカウント」を選び、「Excelのバージョン情報」をクリックすれば表示される。まだ最新バージョンになっていない場合は、「ファイル」メニューから「アカウント」→「更新オプション」→「今すぐ更新」を選ぶ。ただし、会社によってはアップデートをシステム部が管理していることがあり、その場合は個人では更新できない