ビジネスパーソンに欠かせない「エクセル」。誰もが使うソフトですが、操作方法は無手勝流という人が意外に多いようです。しかし、それでは仕事の時短は進められません。この連載では10分、20分かけている作業を、一瞬で終わらせるワザを紹介します。今回は、時刻や時間の計算ミスをなくし、最速で済ませる方法です。

エクセルの思わぬ落とし穴。「時間」や「時刻」の計算を効率的に
エクセルの思わぬ落とし穴。「時間」や「時刻」の計算を効率的に

 前回は、エクセルで日付を扱う方法を紹介しました(「エクセルの日付入力が楽に! 複雑な請求書も一発で」参照)。エクセルでは日付だけでなく、時間や時刻の計算もできます。例えば、職場で数日間、臨時のアルバイトを雇う場合に、勤務時間を求めて給与を計算するといったときに役立ちます。

 時刻の計算にはワナが潜んでいます。それを知らないと、正しい計算結果を得られません。しかし、理屈さえ分かっていれば、時刻や時間を使って自在に計算できるようになります。

 それでは、早速使い方を見てみましょう。まずは基本のおさらいから。出勤時刻と退勤時刻を基に、勤務時間を求める方法です。操作は簡単。退勤時刻から出勤時刻を引くだけでOKです。

D2セルに「=C2-B2」と式を入力。退勤時刻から出勤時刻を引けば、勤務時間を求められる
D2セルに「=C2-B2」と式を入力。退勤時刻から出勤時刻を引けば、勤務時間を求められる

初期設定では「24時間」以上を表示できない

 勤務時間の合計を求める場合も、SUM関数を使えば一発です。ところが、ここでおかしな現象が起こります。下図の例では、勤務時間の合計が明らかに間違っています。

 実はエクセルでは、初期設定のままだと24時間を過ぎた時点で表示が0時間にリセットされてしまうのです。そのため、正しい結果は28時間なのですが、4時間と表示されました。

「=SUM(D2:D5)」という式で勤務時間の合計「28」時間を求められるはずだが、結果が「4」時間となってしまった
「=SUM(D2:D5)」という式で勤務時間の合計「28」時間を求められるはずだが、結果が「4」時間となってしまった

 結果を正しく表示させるには、セルの表示形式を変更する必要があります。セルを右クリックして「セルの書式設定」を選びます。開く画面で「ユーザー定義」を選び、「[h]:mm」と入力。「h」を[ ]で囲むことで、24時間以上を表示できるようになるわけです。

対象となるセルを右クリックして開くメニューで「セルの書式設定」を選ぶ。「セルの書式設定」画面の「表示形式」タブが表示されたら、画面左側で「ユーザー定義」を選び(1)、「種類」欄に「[h]:mm」と入力する(2)
対象となるセルを右クリックして開くメニューで「セルの書式設定」を選ぶ。「セルの書式設定」画面の「表示形式」タブが表示されたら、画面左側で「ユーザー定義」を選び(1)、「種類」欄に「[h]:mm」と入力する(2)
24時間以上の数値を表示できるようになった
24時間以上の数値を表示できるようになった

 ちなみに、夜勤の場合で退勤時刻が「25:30」など24時を過ぎる場合、セルに「25:30」と入力すると、「25:30:00」と秒まで表示されてしまいます。これはエクセルの仕様。見栄えが悪いので、時刻を入力するセルは、あらかじめ表示形式を「[h]:mm」に変えておくといいでしょう。