すべての経験をネタ化して笑い飛ばそう

 過去の失敗や許せなかった人やこと、悔しかったことを思い出して暗い気持ちになることはありますか? もちろん私にもある。恥ずかしいことだらけよ。でもね、過去は変えられない。すべてはネタですよ。いいかげんそれを笑い飛ばす強さを持ちましょうよ。自分を笑い飛ばせる力はこれからとても大事。

 過去を振り返って「あ~あ、私あんなことをしでかしてホント最悪。ウケるわ」ってね。最後の「ウケるわ」が大事なんです。自分を俯瞰(ふかん)して見ること。もう過去の自分と、今の自分は違う。肌の細胞も約4週間で入れ替わるって言うじゃない。成功体験も失敗体験も全部そのときの自分がやったこと、引きずらないで、手放す。そしてネタとして他の人に見せてあげたらいい。

 例えば浮気男や借金男と付き合った過去、合う仕事が見つからず転職をずっと繰り返してきた過去、あるいは家族とのいざこざ……等々、誰にでもいろいろあるじゃない。変えられることは変えればいいんです。一方で、変えられないことはそのまま受け入れる。それらひっくるめてその人らしさ、ユニーク性なのよ。「それを乗り越えてきた私」「それを受け止めている私」っていう自分軸で考えれば、どんな体験も自分の一部として受け入れることができると思う。

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取材・文/市川礼子(日経ARIA編集部)