週1日、昼間だけオープンする桃源郷のような「昼スナックひきだし」。真っ昼間から「意識高い系スナック」の紫乃ママの元に、かつての相談者3名様がご来店。今日のお題は「その後、どうしてる?」。起業の悩みあり、転職の悩みあり、キャリア迷走の悩みあり。三者三様の本音をぶちまける特濃トークが始まります!
(上)昼スナックで相談…開き直って強み発見!3人の逆転人生 ←今回はココ
(下)昼スナックで相談後の3人 コロナ禍で考えた働く本質
「どこに出しても恥ずかしい人生」を自慢してみた
紫乃ママ いらっしゃい。あら、由香さん、ご無沙汰~。なんだかお肌の艶がいいんじゃない?
由香 ありがとうございます! 早速ママに報告があって。
過去の相談内容/就職氷河期、毒親、離婚、派遣切りとあまたの経験を経て10歳年下の彼と結婚。再婚後は5年で1000万円をかけた妊活に失敗。キャリアも子どももない一般職OL生活にむなしさを感じていた由香さん。紫乃ママは「経験の問屋」「時代と寝た女」と名(迷)キャッチフレーズを付け、「どこに出しても恥ずかしい人生」を切り札に、仕事以外の新しい場を見つけるようにアドバイスした。
由香 あのときは、自分の黒歴史をいろいろ語りましたよね。実はその後、なんと昼スナックに飲みに行ったときに知り合った人にコラムを書く仕事を紹介されたんです。これまで転職活動をしたり、副業したいと思ってあれこれ動いたりしても、何の縁も来なかったのに。
紫乃ママ すごい! 引き寄せだね。そもそも由香さんの話、面白い。あのときお互い「どこに出しても恥ずかしい人生」は自慢だって話したのよね。人生は恥ずかしければ恥ずかしいほど価値が高い。それがARIA世代の強み。由香さんは経験の宝庫、経験長者!
由香 それまでは自分の足りないことにフォーカスして「落ちこぼれ」だと思っていたんです。でも、紫乃ママに「レジリエンス力が高い」って言われて自分の強みに気付けました。この昼スナ連載に出たことも「実はこれ、私なの」って周りに積極的に話したら、みんな「10歳年下の夫がいる」っていうところに食いついてきて(笑)。そこが私のストロングポイントだと気が付いた。MBAも持ってないし、誇れるようなキャリアもないし、子どももいないし、最悪だと思っていたけど、自分が持っている強みでガンガン攻めようと思えるようになりました。MからSにマインドが変わりました(笑)。
紫乃ママ そういう物事の「捉え方」のシフトって本当に大事。由香さんの顔つきがあのときと全然違うもの。「なんとかなると思える感」半端ないわ。そう思えるとまた次のことにチャレンジできるものね。
理恵子 えっ、由香さんの夫は10歳年下! うらやましい……。
紫乃ママ あ、こちら去年は「中年転職バージン」だった理恵子さん。新卒から勤めた会社を55歳でリストラにあって転職の相談でいらしたのよね。その後、お仕事はどう?
過去の相談内容/新卒から32年間勤め、女性初の営業部長として活躍していた会社が買収されてリストラにあう。突然の転職活動に困惑中に紫乃ママにすがる思いで来店。ズバリ「中年転職バージン」と名付けられ、「雇ってもらう」という発想ではなく、「どう働いていきたいか、をきちんと伝えて」とアドバイスされた。
理恵子 ママに相談した後に迷いが吹っ切れて、内定をいただいた会社に現場責任者として入社しました。最初は「新しい会社って……えたいが知れない」って不安でしたけど、仕事は拍子抜けするくらい、自分が思った以上にこれまでの経験やスキルが生かせてびっくりしました。