週1日、昼間だけオープンする桃源郷のような「昼スナックひきだし」。真っ昼間から「意識高い系スナック」の紫乃ママの元に、ARIA世代のエリート女性がご来店。今日のお題は、管理職&50代キャリアのもやもや。グラス片手に、ナッツをつまみながらの脱力系お悩み相談…いやいや、女の本音をぶちまける特濃トークが始まります。今日も話題のオンラインスナックで開店よ〜。
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紫乃ママ あら、いらっしゃい。お久しぶり。1年ぶりくらいかしら? ステイホームなのに、相変わらず服装がパリッとしてらっしゃる。
裕子 家でもお気に入りの服を着た方が気持ちがシャキッとしますよね。紫乃ママ、1年前はいいアドバイスありがとうございました。おかげでつきものが落ちたみたいにスッキリして。実は、紫乃ママに会った後、すぐに会社を辞めたんです。
紫乃ママ え~、私、何を言いましたっけ? っていうか裕子さん、あのときそんなに悩んでたの?
裕子 悩んでましたよ~。あのころは本当にゲッソリしてました。会社のことで2年以上、ずっとモヤモヤしてたんです。
紫乃ママ そんなに長いトンネルだったのね。人もうらやむ超一流企業の管理職だったのに。
「大企業だからこそ」の悩みがあった
裕子 大企業だからこその悩みかもしれません。私、3年前に社内で一から新規事業を立ち上げて、そこに骨をうずめるつもりだったんです。それが2年前、年齢を理由に子会社に行けと言われて。お客さんもいるし、責任だってあります。「給料が下がってもいいから残りたい」って言ったんですけど、あっさり却下されてしまって。
紫乃ママ せっかく自分で企画から考えて立ち上げたのに。会社の勝手な都合よね。
裕子 それで泣く泣く子会社に移ったんですよ。会社としては「出向先で部長というポジションを与えるんだから文句ないだろ」って感じでした。でも、心は折れまくりです。
紫乃ママ 裕子さんは「ポジション」がほしいわけじゃないものね。女ってさ、そこじゃないのよね。このデリケートな感じ、会社は分かってないわよね。これからもっと事業を育てていくってときに、離れなきゃいけないなんて。思いが残っちゃうよね。
裕子 「君が立ち上げた部署とはいえ、いつまでも君がいたら若い子がやりにくいだろ。君のポジションは、これから伸ばしたい若いヤツの登竜門にするから」って。事業の成長とか顧客のためじゃなくて、大企業の一つの「場所」としてしか考えられていない。会社のこういうルールの中でこれからも生きていかなくちゃならないのか、とつくづく嫌になりました。
紫乃ママ でも、出向先の子会社も悪い会社じゃなかったんでしょ?