「島耕作」に変わる新しいロールモデルが必要

紫乃ママ 今までの50代、60代男性のロールモデルってどんどん出世していく島耕作だったけど、あんなのもう幻想でしょ。だから澤さんにはそれに代わるロールモデルになってほしいわあ。

 今日、SNSで見つけて面白かったのが、某人気雑誌の表紙の比較。1986年はスーパーサラリーマン特集で表紙に「愛人、休暇、出世」と大きく書かれていて。一方で2021年の表紙には「プリン、シュークリーム、クリームパン」。この違いはものすごいよね。

紫乃ママ 愛人とスイーツか……。この30年で価値観が大きく変化して戸惑っている男性はたくさんいますね。女性は企業社会ではメインストリームをほとんど歩いていないから、まだすり込みが浅いけど、男性は無理やりにでもメインストリームを歩かされているから、自分がポストから外れたり、リストラされたりして目指すものがなくなったときに「え、どうしよう」って身動きが取れなくなりがち。でも、澤さんみたいな方がロールモデルになって「もっと自由に行こうぜ」って言ってくれたら、「それもありだな」と思えますよ。

 僕みたいに、自分の軸で立って働く人は増えていますよね。これまでは「キャリア」って年齢とポジションが相関する2次元だったから、そこから脱落するとすごくつらかった。まるで半沢直樹の世界ですよ。でも、僕はキャリアは宇宙空間だと思ってる。どこに浮いていてもいいし、上下のない空間だから自由なんです。そして、空間の中に、自分中心の球体を作って、その中身を自分の興味ややりたいことで満たして、どんどん大きくしていけばいい。

 同じような空間で同じようなベクトルを向いてる人と触れ合うことができるし、「同じこと考えているならコラボする?」ってなる。そう捉えるともっと生きるのが楽になるよ。

紫乃ママ 「宇宙空間」かあ。さすがスケールが大きいです。澤さん、キリスト似だから世界は網羅していると思ってたけど、宇宙までいくとは。キャリア無重力説、無敵です!

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取材・文/竹下順子 構成/市川礼子(以上、日経ARIA編集部)、写真/洞澤佐智子