加奈子 会社を辞めてしばらくは、いろんなことを経験しようと思ってコンビニでバイトもしていたんです。

紫乃ママ 大手金融にいた加奈子さんが、一回りも年下の同僚に怒られながらブルーの縦縞ユニフォーム着て働いたなんてすごくガッツがある。尊敬するわ。

加奈子 得難い経験でした。それ以降は、前職なら誰でもできて当然の事務スキルが意外に重宝され、小さな会社の事務を請け負ったり、店舗運営の会社では、自分が楽をするために事務オペレーションを効率化したり、それぞれの人の得意分野を生かしたシフト管理を組んだり。一応、仕事は途切れずに続いていました。でもね、最近思うんですよ。私はいったい「何屋さん」なんでしょうか。

「やってきたこと」ではなく「やり方」に注目してみる

紫乃ママ 独立して8年間食うに事欠かなかったんだから、自分で気付いていない「売り」があったはず。例えば今さりげなく言った「自分が楽をするために考えた仕事の効率化」、それなんかかなり価値があることじゃないの。他人の得意なことを見つけて適材適所のシフト管理ができることだって、それが効率化や利益向上に結びついている。小さな会社ではそんなことに目を配る余裕や能力が足りないことが多い。それを提供できることはあなたの大きな強みだと思うよ。

加奈子 大手金融時代からどんな部署にいるときも仕事の効率化は常に高い優先順位でやっていたし、パート、契約社員など働き方にバリエーションがある人たちにも適材適所で仕事を回し、それで効率を上げることも当たり前のようにやっていました。それが生きているのでしょうか。イベント運営の業務委託として企画立案、人員の配置、シフト管理などを一手に引き受ける仕事は8年間続いていて、社長の信頼も得ています。

店内は暗く、昼なのか夜なのか分からないが、紛れもないスナック。肩書ナシで話せる境界線のない空間
店内は暗く、昼なのか夜なのか分からないが、紛れもないスナック。肩書ナシで話せる境界線のない空間

紫乃ママ それはきっと、あなたが「やってきたこと」ではなく「どうやってきたか」が評価されているということじゃないかな。みんな自分の成果を聞かれると「やってきたこと」を並べがちだけど、仕事をどうやってきたか、つまり「やり方」に注目することで見えてくるものもある。自分がどんな「やり方」で仕事をしてきたか棚卸しすることは大事だと思うよ。それが「売り物」になることもある。