40代男性の賃金は、思っていたほど上がらない

 無職かぁ……そうですね。うん、考えたことなくはないけど。やっぱり子どももいるし、働かなきゃと。妻も働いていますが僕の扶養の範囲内ですしね。

孝太郎 僕は、女房が正社員で何度か転職をしながらずっと働いていてきたんだけど、最近いよいよ起業をしましてね。大学時代からの付き合いですが、彼女はどんどん自分が好きな方向に移行してる。彼女もそれなりに給料がよかったので、僕が働かなくても食べてはいけたんだけど……。でも僕は「働かない」という選択肢は考えたことがなかったな。

紫乃ママ 女性の場合はさ、キャリアの途中で「働かない」っていう選択肢も割と普通にあるのよね。

田中 やっぱり自由と安定は両立しないんですよね。女性の方が収入は不安定でも一定の自由はある。一方で男性は収入の安定はあるけど不自由ですよね。それがまさにお互いの苦しみで、分かり合えない。相手がぜいたくなことを言っているように見えてしまう。

 僕の場合は、正社員として長く働いているという意味での安定はありますが、経済的安定と精神的安定はリンクしてないな。転職活動をしたこともあるんですけど、給料を含めた条件面が下がるからという理由で、嫁に強く反対されて諦めました。安定した妻子の生活を担保する責任は感じていますし、その責任を果たすまでは今の会社で耐え忍ばなければいけないのかなって思っています。

孝太郎 その責任を果たした頃には自分も年をとっちゃって、好きなことをやろうにも体がついていかない、と。

紫乃ママ ちょっとちょっと、男子たち~、今日はなんだかダウナー系昼スナね。

田中 自力でどうにもできない問題ですよね。今の日本社会はまだまだ男性の方が相対的に稼げるから、男性が働けば家計は安定する。社会構造的に男性が家計を担う役割分担をせざるを得ない。

 とはいえ、実際40代の賃金は、昔思い描いていたより全然多くない。40代の男性は「本来はもっと給料をもらっているはずじゃないの?」って思うことがあります。僕が入社して早々に家族手当や住居手当が削られて……。独身の同僚はまだ余裕はありますが、子どもがいるとまったく余裕がない。その辺も納得いかない。だから下の世代も結婚にプラスのイメージを抱けないんでしょうね。