かけがえのない家族の一員として、動物との暮らしを楽しんでいるARIA世代の女性は多いはず。物言わぬ彼らですが、時に心を幸せな気持ちで満たし、時に沈む気持ちにそっと寄り添ってくれます。「この子のためなら何でもする!」とまで思わせる存在かもしれません。人生に豊かな彩りを運んでくる最愛のパートナーとの物語を紹介します。
第10回 阿部葉子さんと、はちべえくん、ゴマくん、のぼるちゃん、つよしくん、たもつくん、モグちゃん
「仕事から帰ってきて誰もいないときは、玄関を開けた瞬間に『はちゴマのぼつよたもモグ、ただいまー!』って全員の名前を呼びます。それから『何してたの?』って声をかけながら、一人ひとりの状況を確認していくんです」
アーユルヴェーダのサロンでセラピストとして働く阿部葉子さんは、そう話しながらリビングの一角をニコニコと見つめます。そこには、100均のバーベキュー網を活用して自作したケージや大小の水槽が。それぞれの「部屋」の主は、レッドイグアナののぼるちゃん(メス)、フトアゴヒゲトカゲのつよしくん(オス)、クラウンベルツノガエルのモグちゃん、ギリシャリクガメのたもつくん。さらに隣の部屋からは、にゃーんという声が……。1歳になる兄弟猫、ゴマくんとはちべえくんです。以上が阿部家の動物オールスターズ。阿部さんと夫、高校2年生と中学2年生の娘2人と合わせて、総勢4人と6匹の大家族!
「私はノータッチ」で飼うことをOKしたはずが…
個性派の面々と暮らし始めたのは約2年前、「観賞用の動物が欲しい」と夫が言い出したのがきっかけでした。「夫は若いときに、爬虫(はちゅう)類を飼ったことがあったみたいなんです。でも私には想像もつかないし、餌だってコオロギやネズミ。なんだか気持ち悪くて嫌でした」
結局、夫が餌やりなどの面倒を見るという条件で渋々OKした阿部さん。最初にトカゲのつよしくんが来て、次にカエルのモグちゃんと、メンバーは徐々に増えていきました。すると……。「おなかがすいているんじゃないかなと思って、私も餌をあげてみたんです。そうしたら、ご飯を食べている姿がみんなかわいくて。目もくりっとしていて愛らしいし、どの子もいとおしくなってしまいました」